研究課題/領域番号 |
21K11170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
宇野 英二 札幌医科大学, 保健医療学部, 訪問研究員 (20896104)
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研究分担者 |
岩本 えりか 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40632782)
片寄 正樹 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (50221180)
角谷 尚哉 札幌医科大学, 保健医療学部, 訪問研究員 (90593484)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 閉塞性睡眠時無呼吸 / 運動療法 / 医療法42条施設 / メディカルチェック / 安全性 / 有効性 / 個別化医療 / 予防医療 / 食事療法 |
研究開始時の研究の概要 |
閉塞性睡眠時無呼吸(OSAS)は心疾患の発症や重症化、日中の眠気による生産性の低下や交通事故と関連する医療・社会的問題であるが、その根治療法はいまだ確立していない。 本研究は、呼吸器内科医による診断・薬物療法から、管理栄養士による食事指導、理学療法士による医学的監視下での運動療法を一貫して行えるプロジェクトチームを結成し、本邦で初めてOSAS患者を対象としたランダム化比較試験によって、運動療法が病態メカニズムに与える影響を検証する。 本研究によって、CPAPだけでなく病態に応じて薬物療法や運動療法を適応する、根治を目指した個別化医療の確立に向けた有用な知見が得られると考える。
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研究実績の概要 |
本研究は、医療施設およびそれに附置する医療法42条施設が連携し、閉塞性睡眠時無呼吸(OSAS)に対する運動療法の効果を日本人で検証することを目的とする。今年度は、昨年度に作成したOSAS対する運動療法導入に向けたメディカルチェックおよび運動処方を、OSASを有する対象者に実施し、安全性と有効性を検証した。 対象者は2名(40歳男性 体重113 kg、42歳男性 体重 104 kg)とした。終夜ポリグラフ検査の結果、OSASの重症度を反映する無呼吸低呼吸指数は42.6と44.0であり、両者とも重症であった。運動療法は、介入期間は6ヶ月とし、頻度は週1 - 2回、時間は1回あたり50分とした。有酸素運動の強度は、事前のメディカルチェックで実施した心肺運動負荷試験の結果から嫌気性作業閾値付近とし、運動中は脈拍をモニタリングすることで運動強度を調整した。レジスタンス運動の強度は10 - 15 RMとし、8 - 12 回/セットを1 - 3セットで行った。また、管理栄養士による栄養指導を週1 - 2回、対面にて実施した。メディカルチェックおよび運動療法中の有害事象は発生しなかった。介入の結果、BMI、体脂肪率および中性脂肪が低下した。 本研究により、事前のメディカルチェックを行うことで、安全で効果的な運動療法を実施できることが示された。医療施設と連携しやすい医療法42条施設は、OSASに対する運動療法の実施場所として適切な環境と考える。今後はデータを蓄積することで、OSASに対する治療効果の判定を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究では、閉塞性睡眠時無呼吸患者を病態毎に分類し、運動療法が重症度の改善に与える寄与率を明らかにすることで、根治を目指した個別化医療を確立することを目的としている。当初の予定ではランダム化比較試験を実施する予定であったが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大予防のため対象者を募集することができなかった。また、研究実施機関における研究協力者の人員が変更となり、研究遂行に支障をきたした。
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今後の研究の推進方策 |
従来の人員が減少したため、閉塞性睡眠時無呼吸患者に対する介入研究が困難となった。そのため、閉塞性睡眠時無呼吸患者に対する運動時の呼吸循環代謝応答を明らかにする実験系に変更することで、運動療法の介入意義を明らかにしていく。
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