研究課題/領域番号 |
21K11170
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
宇野 英二 札幌医科大学, 保健医療学部, 訪問研究員 (20896104)
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研究分担者 |
岩本 えりか 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40632782)
片寄 正樹 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (50221180)
角谷 尚哉 札幌医科大学, 保健医療学部, 訪問研究員 (90593484)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 閉塞性睡眠時無呼吸 / 運動療法 / メディカルチェック / 安全性 / 有効性 / 医療法42条施設 |
研究実績の概要 |
本研究は、医療施設およびそれに附置する医療法42条施設が連携して実施している。研究体制は、医療施設の医師、看護師、臨床検査技師、放射線技師、および医療法42条施設の理学療法士、健康運動指導士、管理栄養士が連携することで、研究組織を構築している。 初年度は、閉塞性睡眠時無呼吸に対する運動療法導入に向けたメディカルチェックの方法を確立し、その安全性および有効性を検証した。メディカルチェックの実施項目は、①終夜ポリグラム検査、②問診、③体成分分析、④身体機能評価、⑤栄養評価、⑥心肺運動負荷試験とした。医療施設では主に閉塞性睡眠時無呼吸の診断、および併存疾患のコントロール状況を把握することで運動に伴うリスクを判断することを目的に選定した。また医療法42条施設においては、効果的な運動療法を実施するための情報収集を目的に選定した。また、糖尿病に対する運動処方を参考に、閉塞性睡眠時無呼吸に対する運動処方を考案した。運動内容は、コンディショニング、ファンクショナルトレーニング、ウエイトトレーニング、インターバルトレーニングから構成される。行動変容ステージに応じて段階的に運動強度を変更し、コンディショニングやファンクショナルトレーニング中心から、徐々にウエイトトレーニングやインターバルトレーニングを導入することが特徴的である。運動療法導入時には、迷走神経反射によるめまいなどの自覚症状を認めたが、治療を有する有害事象は発生しなかった。 メディカルチェックおよびその後の運動療法実施時に有害事象は認めず、安全性および有効性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、閉塞性睡眠時無呼吸患者を病態毎に分類し、運動療法が重症度の改善に与える寄与率を明らかにすることで、根治を目指した個別化医療を確立することを目的としている。当初の予定ではランダム化比較試験を実施する予定であったが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大予防のため対象者を募集することができなかった。そのため、研究の進捗が運動療法導入に向けたメディカルチェックの実施方法の確立、運動療法の安全性を検証するにとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、ランダム化比較試験の開始に向けた募集を開始する。初年度に確立したメディカルチェックや運動処方を活用し、閉塞性睡眠時無呼吸患者に対して介入研究を実施する。また、運動施設にパーテーションや高機能換気設備などを導入することで、集団感染に細心の注意を払いながら研究を遂行することを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に介入研究を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染状況を鑑みて延期した。介入研究で購入予定であった物品代が次年度に持ち越しとなったため、次年度使用額が発生した。 次年度は十分な感染対策をおこなったうえで介入研究を実施することを計画しているため、次年度使用額は初年度と同様の目的で使用する。
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