研究課題/領域番号 |
21K11194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
山下 達郎 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60815439)
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研究分担者 |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
鵜飼 亮 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30896113)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨髄間葉系幹細胞 / 慢性期脳梗塞 / リハビリテーション / 慢性黄脳梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、これまでに急性期脳梗塞モデルに対する骨髄間葉系幹細胞治療(MSC)にリハビリを併用するとリハビリ単独群やMSC単独群よりも脳の可塑性の亢進を惹起し、さらに高い運動機能の回復が得られることを報告した。さらに慢性期脳梗塞モデルに対してMSCを行い、運動機能が改善されることを明らかにした。急性期と慢性期で病態は異なるが、MSCが発揮する多彩な治療メカニズムを考えると、慢性期にMSCとリハビリを併用することでさらなる治療効果が期待できると考えられる。本研究では慢性期脳梗塞モデルに対するMSCとリハビリの併用により機能改善をもたらすメカニズムを脳の可塑性の変化に注目して解析することを目的とする。
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研究実績の概要 |
我々は、既にラット急性期脳梗塞モデルに対してMSC移植にリハビリを併用すると、リハビリ単独群やMSC移植単独群よりも、さらに高い運動機能の回復が得られるこという報告をした。さらに慢性期脳梗塞モデルに対するMSC移植は、運動機能が改善されることを明らかにした。急性期と慢性期で病態は異なるが、MSCが発揮する多彩な治療メカニズムを考えると、慢性期にMSC移植とリハビリを併用することでさらなる治療効果が期待できると考えられる。本研究は、慢性期脳梗塞モデルに対するMSC移植にリハビリを併用することで、機能改善をもたらすメカニズムを脳の可塑性の変化に注目して解析することを目的とした。ラット中大脳動脈永久閉塞モデルは、Intraluminal thread methodを用いて作製し、(i)コントロール群、(ii)リハビリ群、(iii)MSC群、(iv)併用群の4群を設定した。細胞移植を行う群では、慢性期と考えられる脳梗塞発症8週後に骨髄間葉系幹細胞を経静脈的に移植している。(ii)リハビリ群、(iv)併用群のリハビリは、毎日20分間のトレッドミル走行を8週間行っている。運動強度は20m/minとする。運動機能評価は、limb placement test、トレッドミル負荷試験、Modified neurological severity scoreで行い、ラットの運動能力の回復過程を評価する。運動機能の結果では(ⅲ)MSC群と比較して(ⅳ)併用群でさらに改善がみられた。また、組織学的解析では(ⅲ)MSC群と比較して(ⅳ)併用群でさらに脳梁が肥厚し、脳梁を通る神経繊維数が増加していた。慢性脳梗塞に対するMSC治療とリハビリテーションの併用療法には、最も運動機能の改善をもたらす可能性があり、さらに脳の構造的変化が機能回復に強く関連することが示唆された。
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