研究課題/領域番号 |
21K11263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
倉岡 晃夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (30253412)
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研究分担者 |
吉塚 久記 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 講師 (00879942)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 踵腓靱帯 / 足部外側靱帯群 / 臨床解剖学 / 機能解剖学 / 腓骨筋腱 |
研究開始時の研究の概要 |
最も一般的なスポーツ傷害である足部外側靭帯損傷の中で、踵腓靭帯損傷の合併例は治療に難渋し、関節不安定性が残存する傾向にある。一方、個々人における踵腓靱帯の形態は多様であり、損傷リスク・予防の観点から興味深い所見であるが、この多様性を踏まえた機能的解析はほとんど行われていない。 本研究の目的は、感圧測定システムを用いた新しい機能解剖学的解析手法によって、解剖体における踵腓靱帯の機能的個体差を解明することである。この成果は、個々人が留意すべき危険な運動方向や損傷リスクの理解につながることが予測され、スポーツ医学への貢献が期待される。
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研究成果の概要 |
近年、緊張した踵腓靱帯(CFL)が腓骨筋腱をリフトアップする現象が報告され、CFLが腓骨筋の作用を補助するテンショナーとして機能する可能性が示唆されている。本研究では6体11肢の解剖体標本と感圧センサを用い、CFLが緊張する肢位における接触圧を計測し、リフトアップ現象の詳細を明らかにすることを目的とした。内がえし 0、5、10、15度において、接触圧に相当する平均出力値(mV)は各々3.1±9.3、340.9±437.8、1178.6±682.0、2063.0±577.7と増大し、統計学的な有意差が認められた。これらの結果は、内がえしがCFLのテンショナー効果を増強する可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、関節の安定化や関節運動の制御を担う靱帯と、筋肉に発生した張力を骨に伝えることで関節運動を担う腱は機能的に独立したものと考えられてきた。CFLによる腓骨筋腱のリフトアップ現象は、靱帯と腱の間に相互作用が存在することを示唆する常識を覆す知見であり、本研究成果はこのリフトアップ現象の詳細を定量的かつ具体的に示した点で意義あるものと考えられる。また今後の展開として、特に生体におけるCFLのテンショナー機能、ひいては足部の運動制御機構の全貌を明らかにすることで、捻挫の後遺症として問題とされる慢性足関節不安定症の病態、あるいは腓骨筋の反応時間が遅延するメカニズム等の解明につながる可能性が考えられる。
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