研究課題/領域番号 |
21K11269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北海道千歳リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
鈴木 大輔 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (40372817)
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研究分担者 |
名越 智 札幌医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40264527)
小助川 維摩 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80569682)
金泉 新 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (90813618)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 股関節 / 関節唇 / 中殿筋 / 相同モデル / 有限要素法 / 2D-3Dマッチング / 寛骨臼形成不全 / 接触圧 / 有限要素解析 / シミュレーション / 三次元解析 |
研究開始時の研究の概要 |
寛骨臼形成不全患者(DDH)は寛骨臼の発達が悪く,寛骨臼の周りにある関節唇を損傷しやすいことが知られている。関節唇損傷は股関節に強い痛みを生じさせるだけでなく,股関節に不安定感をもたらし,将来的に変形性股関節症を発症するリスクを高める.本研究は,DDH患者の関節唇にかかる力が小さくなるような姿勢を明らかにし,日常生活において関節唇損傷を回避したり,痛みを減少させる動作を考案することを目的とする。関節唇に負担のかかる姿勢を回避できる保存療法が開発できれば、DDH患者は関節唇損傷を予防でき、痛みを気にせず日常生活を楽しむことができると考えられる。
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研究成果の概要 |
寛骨臼形成不全患者(DDH)は関節唇の損傷により変形性股関節症が進むことが多く,関節唇への負担を減少させることが重要である.本研究では以下の知見を得た.①DDH患者の骨盤は一般的な骨盤に比べ,腸骨翼の角度がより垂直に近い.②DDH患者のうち,寛骨臼後壁が足りない患者は大腿骨頭の接触圧が大きくなる.③関節不安定性のあるDDH患者は正常に比べて関節唇の肥大化がみられた.④DDH患者を外旋位でX線撮影するFalse Profile viewと,3次元画像を2D-3D matchingした.DDH患者は正常より大腿骨頭が前方に移動することから,外旋位はDDH患者にとって好ましくない肢位と考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
寛骨臼形成不全(DDH)の患者は変形性股関節症になるリスクが高い.股関節唇損傷によってこのリスクはさらに上昇するので関節唇に負担をかけない肢位を考えることは重要である.本研究により,DDH患者の骨盤形態が系統的に変形していること,DDHといっても形状によっては変形性股関節症になるリスクがより高い患者がいることを示した.関節唇は関節不安定性が顕著なDDH患者で肥大化し,損傷しやすくなることを示した.股関節外旋位では大腿骨頭が前方移動し,関節唇損傷がよくみられる前方領域にインピンジメントする恐れがあることから,日常生活でなるべく股関節を外旋させないように指導することが重要であると考えられる.
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