研究課題/領域番号 |
21K11364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
上條 義一郎 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40372510)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 体温調節 / 非蒸散性熱放散 / 脊髄損傷 / 交感神経 / 熱放散 / 暑熱対策 / 障がい者スポーツ選手 / 対流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、対流の原理を用いて、脊髄損傷者の暑熱環境下で運動後に上昇した深部体温を効果的に低下させる「上肢冷却」法を開発するための基礎的な情報得ることを目的とする。本研究で得られる結果は、脊髄損傷選手の競技力向上のみならず、他の一般障がい者やリハビリテーション治療を受ける患者、さらには高齢者にも応用できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、対流の原理を用い、脊髄損傷者の暑熱環境下で運動後に上昇した深部体温を効果的に低下させることができないか、検討した。頚髄損傷者群では運動強度50%VO2peakが5ワット程度になる。室温25℃で30分間の上肢運動をするとき、痩せている選手では同運動時に深部体温がむしろ低下し、前腕皮膚温も低下した。深部体温減少と前腕皮膚温減少には正の相関関係を認めた。健常者の50%VO2peakは20ワット程度であったが、同環境下において5ワットで運動した際、深部体温は低下した。前腕部の動きにより対流による熱放散が亢進したと解釈できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
障がい者選手の病態背景、サポート体制も様々であるため、同選手へのサポートは個別対応が基本となる。東京パラリンピック開催に際して、暑さが注目されたが、一方、これに関する知見があまりにも不足し、それまで正しいだろうと考えられてきた手法が実は熱中症発症リスクを高めてしまうことであった。例えば、頚髄損傷者が運動する際、彼ら、彼女らは全く発汗がないため、うつ熱を生じやすい。そのため、顔面などに冷水で霧吹きをするという習慣があった。しかし、実際に深部体温を測定すると、霧吹きを行うとかえってうつ熱状態になってしまう。対流の原理を用いた頚髄損傷者に対しても安全な体外冷却方法の開発は社会的意義が高い。
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