研究課題/領域番号 |
21K11384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学短期大学部 |
研究代表者 |
林 恵嗣 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (00431677)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 皮膚血管拡張 / 皮膚血流量 / 二酸化炭素 / 局所冷却 / 下肢冷却 / 部分浴 / 高濃度炭酸泉 / 水温 / 炭酸泉濃度 / 体温 |
研究開始時の研究の概要 |
暑熱環境下における運動時には、体温が過度に上昇する場合があるため、効果的な暑さ対策を構築することが課題となる。暑さ対策の一つとして身体冷却があるが、これまでの研究から、水道水ではなく、二酸化炭素を含む炭酸泉を用いることで、より早く体温を低下させつつも、冷水浸漬による不快感を軽減させられることが明らかとなっている。しかしながら、先行研究では、全身を浸漬させる方法を用いており、スポーツ現場等での利用に即した検討ができていない。本研究は、現場で利用しやすい局所の炭酸泉浸漬が身体冷却方法としてどの程度効果的であるかを検討するものである。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、まず基礎的なデータ収集を目的とし、炭酸泉の水温や濃度、皮膚温の違いによって皮膚血流量がどのように変わるかを検討し、水温を低下させすぎると皮膚血管拡張が起こらないことや水温が低くても皮膚温が高い状態で浸漬させた場合には皮膚血管拡張が維持されることが明らかとなった。また、実際の現場で実施しやすい冷却方法として下肢浸漬の効果を検討した結果、冷却面積を大きくしないと炭酸泉による冷却効果が期待できないことが明らかとなった。これらのことから、炭酸泉による身体冷却効果を得るためには、皮膚温が高い状態で冷却を開始し、冷却面積を大きくすることが重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常、炭酸泉は温浴効果を高めることを目的として使用される。これを、高体温状態からの素早い回復を目的とした身体冷却を目的として使用する点で独創的な研究である。研究の結果、炭酸泉が水道水よりも高い冷却効率を示すには、炭酸泉の水温や濃度、冷却開始時の皮膚温の状態などが影響し、冷却面積をある程度確保しておかないと効果がみられないことも明らかとなった。これらは、炭酸泉を用いて身体冷却を行う際に抑えておくべきポイントであり、これらの条件を満たすことで、低温炭酸泉浸漬が新しい身体冷却方法として提案できるものと期待できる。
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