研究課題/領域番号 |
21K11404
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
黒岩 一雄 常葉大学, 教育学部, 准教授 (70779545)
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研究分担者 |
西平 賀昭 筑波大学, 体育系(名誉教授), 名誉教授 (20156095)
福本 寛之 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00779308)
酒本 夏輝 清和大学, 法学部, 講師 (10824063)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 運動習慣 / 認知機能 / フランカー課題 / ストループ課題 / TMT / コーディネーション能力 / 認知情報処理 / フランカータスク / 中高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツ場面,特に球技ゲームなどの集団的な対人ゲームでは,周囲の環境や生体内から入力される多種多様な感覚情報を短時間に効率よく判断し処理することが運動パフォーマンスを高める上で極めて重要である。ヒトの脳内の感覚情報処理能力や課題に配分される注意の量については限界容量があるとされているが,スポーツ選手を対象として,日常のトレーニングがそれら感覚情報処理能力や課題の注意配分に与える影響ついては明確な知見が得られていないのが現状である。そこで本研究は,運動習慣が,感覚情報処理能力や課題の注意配分に与える影響について事象関連脳電位を用いて明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、2022年度の実験で残された課題であった長期運動経験者における競技レベルと認知機能(実行機能)の関係性をより明らかにすることを目的とした。2021年の実験では、競技レベル(レギュラーメンバーvsサブメンバー)と認知機能(実行機能)との間に有意な関係性、関連性が認められなかった。そこで2023年度は被検者に体力テストとスキルテストを実施し、認知機能との関連性を検討した。 被検者としては地区レベルの非エリートサッカー選手を対象とした。体力テストとして50m走、アジリティーテスト、YoYoテスト、ジャンプ課題等を、スキルテストとして、リフティング、パス、ドリブル等を実施し、認知機能との関連性を検討した。 その結果、①アジリティーOFテストの値は、TMT-Bの値と正の相関関係がみられた。②ドリブルテストの値は、ストループ不一致条件の値と負の相関関係がみられた。③ドリブルスキルの値は、ストループ文字条件の値と負の相関関係がみられ、ストループ不一致条件の値と負の相関傾向がみられた。④リフティング左右連続回数の値は、フランカー干渉指数の値と有意な負の相関関係がみられた。また、リフティング自由連続回数の値は、フランカー干渉指数の値と負の相関傾向がみられた。 本研究ではコーディネーション能力に関わる項目と認知機能との間にポジティブな相関関係が確認された。これらのことより長期の運動習慣が認知機能に影響を与える可能性が明らかとなった。またそれらの運動様式において影響の現れ方に差異が生まれる可能性も示唆された。本研究は運動による高次脳機能への影響を明らかにするものであり、高次脳機能の改善に着目した運動プログラムの開発に貢献する基礎的知見が得られると考え、体育・スポーツ科学領域の発展に貢献する意義深いものであると考えられる。
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