研究課題/領域番号 |
21K11586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
横山 信治 中部大学, 応用生物学部, 客員教授 (10142192)
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研究分担者 |
呂 鋭 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (80381862)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | HDL / 動脈硬化 / 生活環境 / 疫学 / 肉類の摂取 / 魚介類の摂取 / 魚介類/肉類比率 / HDL-C / 血漿リポタンパク質 / 食品摂取 / lipoproteins / LDL / 栄養摂取変動 / apoA-I / sdLDL |
研究開始時の研究の概要 |
日本人の血漿脂質には1980年代から重要な長期的持続性変化が起こっている。最大15%のHDL増加とりわけapoA-II 非含有HDLの倍増と、小型高比重LDL減少であり、生活習慣病リスクは低下してる。一方、同時期の我が国の栄養環境には、魚介類海産物消費の急激な減少と肉食の著しい増加が各世代で認められ、生活習慣病リスクから見て血漿脂質の長期変動と矛盾しており、我が国の疾病構造に与える影響の解明は重要である。本研究では、HDLやLDLの量的質的な長期変動と栄養指標変動との矛盾について、臨床疫学的解析と細胞動物モデル実験により、栄養学的背景と疾病構造への影響を解明する。
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研究成果の概要 |
血漿HDL濃度は動脈硬化性疾患の負の危険因子として重要である。日本人のHDLは国際的に比較して高く、その遺伝子背景や公衆衛生学的動向を明らかにすることは、我が国の疾病構造の特徴やその動向を捉える上で重要である。本研究では東アジアにおける高HDLの原因の一つであるCETP欠損症の地域的蓄積要因を日本住血吸虫症であることを確認した。また日本人のHDLが長期的な上昇傾向を続けており、その要素が、アポAIのみを含むHDL(アポAIIを含まない)の顕著な増加である要因を詳細に検討した。通常の生活習慣要素や栄養学的要素には関わらず、魚介類と肉類の摂取比率の低下との関連という逆説的知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血漿HDLの公衆衛生学的動向は、その地域の疾病構造やその動向を予測する上で重要な要素の一つである。本研究では、日本人の高HDLの傾向の要因の一つであるCETP欠損症の遺伝子蓄積要因についての知見が前進したことは、他の脂質異常症の遺伝子異常の解析にヒントを与えるものである。また日本人の血漿HDL値が上昇を続けていることが詳細に確認できたことと、その要因に従来知られていたHDL値との関連要因以外の要因が関わっている可能性が示唆された。見かけ上魚介類対肉類の摂取比率との逆説的関連が見られたが、今後、それ以外に未知の環境要因などが絡んでいることなどを、検討してゆく必要がある。
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