研究課題/領域番号 |
21K11642
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
得字 圭彦 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90322883)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ジスルフィド結合 / アレルゲン / グルタチオン / 米 / 米アレルギー / タンパク質複合体 / アレルギー / 培養細胞 / メタボローム |
研究開始時の研究の概要 |
米アレルギー症状緩和作用をもつ品種ゆきひかりと他品種との炊飯-消化産物についてメタボローム解析で比較し、ゆきひかりに特徴的な有効成分候補を見つける。培養細胞を使った米アレルギー抑制効果評価系で候補成分をを評価し、米アレルギー症状緩和能力に関連する成分を同定する。さらに、食物アレルギーモデルマウスを用いて個体レベルでもアレルギー症状抑制に寄与するかを検証する。
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研究成果の概要 |
アレルギー症状を緩和するコメ品種「ゆきひかり」と効果のない「きらら397」のメタボローム比較の結果、ゆきひかりにはグルタチオン関連物質が少なかった。Native PAGE解析では「ゆきひかり」特有の約350kDaのタンパク質が観察され、還元型グルタチオン添加で減少することが確認された。nanoLC-MS/MS解析で350kDaのタンパク質は複数のアレルゲンペプチドから成る複合体であることが分かった。以上より、「ゆきひかり」ではグルタチオン含量が低いため、アレルゲンタンパク質がジスルフィド結合を介して巨大な複合体を形成し、アレルギー症状の緩和に寄与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
米品種「ゆきひかり」がアレルギー症状を緩和するメカニズムが、グルタチオン含量の低さとそれに伴うタンパク質のジスルフィド結合に関わる可能性が明らかになった。また、α-アミラーゼ/トリプシンインヒビターやグリオキサラーゼIなどのアレルゲンタンパク質が巨大な複合体を形成することが示された。この発見は、食物アレルギーの生化学的な理解を深める重要な知見となり、新たなアレルゲン検出法や治療法の開発に役立つ。また、アレルギー緩和米の育種の基盤となる。
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