研究課題/領域番号 |
21K11711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岸田 邦博 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (30412703)
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研究分担者 |
井原 勇人 和歌山県立医科大学, 共同利用施設, 准教授 (00223298)
永井 宏平 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (70500578)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | フルクトース / 油脂 / 脂質代謝 / 小腸 / タンパク質発現 / 脂肪酸 / 臓器特異性 |
研究開始時の研究の概要 |
清涼飲料水からのフルクトース過剰摂取は、メタボリックシンドローム発症との関連が指摘されている。動物性油脂もまた、メタボリックシンドロームのリスク因子のひとつとして認識されており、対照的に植物油や魚油は健康に良い油という認識がある。しかし、フルクトースと各種油脂を組み合わせて摂取した際の生体内の各臓器における反応は様々であり、植物油や魚油の摂取が必ずしも好ましい影響をもたらすとは限らない。本研究は、フルクトースと各種油脂の摂取が肝臓や内臓脂肪など脂質代謝に深く関連する臓器に与える影響の違いを解明する。
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研究実績の概要 |
フルクトースは、小腸においてフルクトース吸収や代謝に関連する遺伝子およびタンパク質発現を誘導することが知られている。しかし、その他の影響については未知であるため、LC/MSによる網羅的解析を行った。SD系雄性ラットに①グルコース+大豆油、②グルコース+魚油、③フルクトース+大豆油、④フルクトース+魚油を含む飼料を1週間給餌した。飼料中含有量は糖質60%、油脂15%とし、その他の成分はAIN93組成に準じた。ラット小腸で、油脂の種類に関係なくフルクトース摂取により発現が誘導されたタンパク質は、Glucose-6-phosphatase (G6Pase)、 Glucose transporter 5 (GLUT5)、 Fructose-1,6-bisphosphatase 1 (F1,6BPase)といったフルクトース関連タンパク質に加え、Cytochrome P450 family 4 subfamily F polypeptide 2 isoform (CYP4F2)やGlutathione S-transferase (GST)といった炎症や酸化ストレスに関連するタンパク質であった。魚油とフルクトース摂取時に小腸で発現上昇が確認されたタンパク質は、Hydroxymethylglutaryl-CoA synthase mitochondrial (HMGCS2)、Phosphoenolpyruvate carboxykinase 1 (PEPCK1)、Alcohol dehydrogenase class-3 (ADH4)、Alcohol dehydrogenase 1 (ADH1)、Aminopeptidaseであった。HMGCS2は、魚油に含まれる脂肪酸のβ酸化により誘導されたものと考えられ、ADH4、ADH1は、脂肪酸の過酸化により誘導されたものと考えられることから、フルクトース摂取が小腸での脂肪酸酸化および過酸化を修飾する可能性が示唆された。
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