研究課題/領域番号 |
21K11978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
由井薗 隆也 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70315399)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 創造性支援 / 創造性教育 / ボトムアップ思考 / KJ法 / 集合知 / 概念生成 / 創造性支援ツール / 大画面インタフェース |
研究開始時の研究の概要 |
人間の創造性を支援するツールに関する基礎研究として、多くの人々から集められたアイデアを創造的にまとめるタスクを対象とした人間の創造性を向上するためのシステムを実証する。特に、日本発の衆知をあつめる発想法であるKJ法を参考とした「ボトムアップ思考」が創造的なまとめにつながることを検証する。一方、「トップダウン思考」による分類は機械学習によって模倣できることも検討する。最終的に、これらを融合した創造性支援ツールを開発し、約三千個のアイデアを創造的にまとめるタスクにおいて、作業時間を短くし、かつ、創造性の評価を向上できることを実証する。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、人間の創造性を支援するツールに関する基礎研究として、多くの人々から集められたアイデアを創造的にまとめるタスクを対象とした人間 の創造性を向上するためのシステムを実証することである。なお本研究では、日本発の衆知をあつめる発想法であるKJ法を参考としている。 本年度は、(1)ブレインライティングを変形した方法として個人の意見と他者の意見を明示的に区別した独自手法を考案した。そして,その手法と組み合わせたKJ法を用いた創造性教育を実施した。その結果、約20人分の研究同意を得た研究データを得ることが出来た。データの分析はこれからであるが、ボトムアップ思考と集合知的部分を組み合わせた分析を実施する予定である。 (2)知識創造学習支援システムを用いて1ヶ月程度における学習者の知的生産性(進捗の登録や文章の更新)とモチベーションの関係について10人の大学院生を対象として、調査した。その結果、進捗の更新回数と研究に関するまとめ文章の質の相関係数が 0.75となり、進捗の更新回数が多い人ほど、知的生産が高くなる傾向が得られた。またポジティブな感情とモチベーションの相関係数が 0.84 と強い相関があったが、まとめの文章の質との間には目立った相関係数は得られなかった。そのため、アンケートによる主観的な感情評価と定量的な知的生産性の評価を関連づけることは難しいことがわかった。 その他:小学生の高学年児童を対象として、ストーリー思考的な考えが創造性教育に与える影響を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた被験者実験がコロナ環境の影響などもあり、実施できなかった状況がある。 しかしながら、研究ターゲットであるKJ法のための前段階であるブレインライティングを変形した方法として個人の意見と他者の意見を明示的に区別した独自手法を考案できた。そして、その独自手法とKJ法を組み合わせた創造的活動データを得ることができた。またKJ法などを参考とした機能を持つ知識創造性支援システムの1ヶ月利用についても、定量的・定性的評価を行うことができた。 以上を総合して、創造性支援ツール研究として一定の成果を上げることができたため、(2)と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
新規発想を目指す「ボトムアップ思考」と、アイデア整理を目指す「トップダウン思考」を区別した評価実験を行う予定である。一方、今年度、新たに考案したブレインライティングの変形手法とKJ法を組み合わせた創造的活動については、集合知的な要素を考慮した分析を行う予定である。 以上より、創造性支援ツール研究への基礎貢献を進めていく計画である。
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