研究課題/領域番号 |
21K12254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丹藤 由希子 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (70596212)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生殖細胞 / マウス / エピジェネティクス / フタル酸エステル / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
プラスチックの可塑剤として社会生活に普及しているフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)の妊娠期の暴露は複数世代にわたる子孫の精子形成異常を誘発する。申請者はDEHP母体暴露後のマウス生殖細胞で精子形成に関わる遺伝子の特異的なメチル化亢進を見出した。本研究は、DEHPの遺伝子特異的なメチル化亢進による精子形成異常の誘導機構と、精子形成異常の世代間継承に関わるエピゲノム機構の解明を目的とする。 本研究は申請者のこれまでの研究を発展させるとともに、化学物質の影響が次世代に継承されるエピゲノム変化機構について、DNAメチル化変化とヒストン修飾変化の両者が関連した新たなモデルの創出を目指す。
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研究成果の概要 |
マウスを用いた研究により、プラスチック可塑剤として用いられるフタル酸エステル(DEHP)の妊娠期における暴露は、生まれた仔の精子形成に及ぼす。本研究では、その原因となる仔の生殖細胞における精子形成に必須な遺伝子の高メチル化が誘導されるメカニズムを検証した。その結果、DEHP母体暴露によって仔の生殖細胞で増加する活性酸素種が遺伝子の高メチル化に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的に、親が高齢になるほど妊娠率の低下や出生後の児の先天的なリスクが増大することが知られている。近年の出産年齢の高齢化に伴い先天的なリスクが増加する中、化学物質の影響による精子の異常は、さらなる妊娠率の低下と次世代の精子の異常および数の減少につながる。この状況下で、化学物質による精子形成異常の科学的裏付けによる立証が社会に与えるインパクトは大きい。本研究の成果は、DEHPの類似物質の影響の解明やヒトにおける検証を通して、安全な代替因子の開発と生殖細胞に影響を与える危険因子を軽減した環境づくりに貢献する。これは化学物質による精子数減少の予防、そして精子数減少に起因する不妊の予防につながる。
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