研究課題/領域番号 |
21K12286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
秦 寛夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (00792532)
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研究分担者 |
星野 翔麻 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 講師 (20783616)
戸野倉 賢一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00260034)
藤田 道也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (20916225)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クリーギー中間体 / 対流圏化学 / キャビティリングダウン紫外吸収分光法 / 量子化学計算 / ミクロカノニカル反応速度論 / 大気化学輸送モデル / 有機ラジカル / 環境影響評価 / イソプレン / キャビティリングダウン吸収分光法 / 不均一系化学反応 / 微小粒子状物質 / 遷移状態理論 / アルケン / 大気化学 / 領域大気質モデル / レーザー分光法 / 揮発性有機化合物 / 粒子状物質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、クリーギー中間体に由来する微小粒子状物質の生成メカニズムを解明することを目的とする。微小粒子状物質は人体に有害な大気汚染物質として知られている。塗装業や自動車排出ガス、樹木などから発生する揮発性有機化合物は大気中のオゾンと反応し、クリーギー中間体と呼ばれる中間生成物を生成する。クリーギー中間体は、大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物と反応し、微小粒子状物質を生成することが報告されている。本研究では、光計測技術を用いて、クリーギー中間体に由来する粒子状物質の生成メカニズムを解明すること、及び3次元大気シミュレーションによる実大気環境や人への影響の評価を行っていく。
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研究成果の概要 |
イソプレン由来クリーギー中間体であるメチルビニルケトンオキサイドと二酸化硫黄(SO2)や酢酸、プロピオン酸等との反応速度定数を紫外吸収分光法と理論計算により算出した。オレイン酸(OA)薄膜を作成後にオゾン(O3)やO3-SO2混合ガスをOA薄膜に流入し、OA薄膜の気液界面や液相内におけるO3による酸化反応や、酸化反応過程で生成するクリーギー中間体のSO2による消費が生じるか検証した。気相中のクリーギー中間体と有機過酸化ラジカルのSO2酸化反応や液相内のS(IV)化合物の酸化反応を、領域大気質モデルや全球大気質モデルに組み込むことでエアロゾル生成への寄与を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大気中の化学反応で生成する微小粒子状物質(PM2.5)は、ヒト健康リスクを有すると同時に地球温暖化影響としての放射強制への寄与が指摘されており、その大気化学的動態を理解することは喫緊の課題である。本研究では、大気中の化学反応で生成するラジカル種であるクリーギー中間体や有機過酸化ラジカルのPM2.5生成能に関する実験と3次元大気シミュレーションを実施し、これらのラジカル種のPM2.5生成速度や環境影響評価を実施した。これらの研究を通じて新たな化学反応速度定数の算出に成功し、また、詳細な環境影響を行ったことで基礎学術的知見から環境行政への貢献を果たす結果を得ることができた。
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