研究課題/領域番号 |
21K12322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
望月 翔太 福島大学, 食農学類, 准教授 (90737777)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 野生動物管理 / 市街地出没 / 河川管理 / アンダーユース / 人口減少社会 |
研究開始時の研究の概要 |
里山環境の利用・管理の縮小(アンダーユース)による耕作放棄地や河川の樹林化は野生動物の生息地利用に大きく影響する事が予想される。本研究は、近年増加傾向にある野生動物の市街地出没に着目し、河川の樹林化や周辺の土地利用の変化が野生動物の移動に対し、どのように影響しているかを明らかにする事を目的とする。
計画している具体的な研究項目は、①過去から現在までの河川環境の変化、および周辺土地利用の遷移に関するGISデータの構築、②野生動物の河川環境の利用形態と市街地出没のリスク評価、の2つである。
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研究成果の概要 |
本研究は、野生動物が市街地に出没する際に河川が利用される背景を解明することを目的とする。近年の河川の樹林化や土地利用の変化が要因と推察されている。福島市と喜多方市で、センサーカメラとGISを用いてツキノワグマの行動特性を調査し、人工林と河川近くで出没頻度が高いことを確認した。さらにドローンによる空中写真で河川周辺の土地利用を分析し、季節ごとや年ごとの出没に関する統計モデルを構築した。特に喜多方市では広域の3次元画像データを基に、地形の微細な起伏からツキノワグマの出没ルートを特定した。本研究は、野生動物の移動経路としての河川環境の特性を明らかにし、今後の対策に資するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、野生動物の行動と河川環境の変化の関係を解明し、新たな管理知見を提供する。ツキノワグマの行動特性や市街地出没リスク要因を科学的に評価し、生態学および保全生物学に貢献する。GISデータとドローン空撮を用いた環境分析は新手法を示し、研究者に有益な基礎データを提供する。また、市街地出没リスクを軽減する具体的対策を提案し、地域社会の安全性向上に寄与する。地方自治体や関係機関に情報を提供し、管理方法を提案することで人間と野生動物の軋轢を減少させる。堅果類の凶作予測といった予防的対策の周知も重要である。成果は国内外の類似地域にも応用可能であり、国際的に重要な意義を持つ。
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