研究課題/領域番号 |
21K12448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高澤 由美 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (20509054)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ウェルビーイング / 主観的幸福 / ローカルツーリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「ニューノーマル」社会における観光の新たな価値の創出を念頭に置き、来訪者及び地域のウェルビーイングの向上に寄与するローカルツーリズムの再構築を目指すものである。COVID-19の影響が広まる中で従来の余暇・息抜きや消費の対象としての観光だけでなく心身の健康につながり幸福を感じられる観光が新たな価値を生み出すのではないだろうか。本研究ではウェルビーイングの理論を基盤に、来訪者の主観的幸福、及び健康行動を定量的に明らかにし一体的に捉えることでウェルビーイングの向上に寄与する地域資源や地域固有の文化を生かしたローカルツーリズムを再構築するとともに持続可能な観光地域づくりへの展開を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、来訪者と地域、双方のウェルビーイングを促すローカルツーリズムの再構築を念頭においている。COVID-19による社会状況の変化は、急速な観光需要の低下をもたらし地域の環境を大きく変えたが、その後の観光需要の再増加によって新たな課題も見られつつある。こうした背景を踏まえると「良い状態」を再構築することは人だけでなく、地域においても重要な視点であると考える。このような視座から本研究では来訪者と地域にとっての「良い状態」を主観的幸福の計測と生理指標の計測の観点から模索し、ウェルビーイング を促す空間や地域のあり方を考察するものである。 今年度は以下のように研究を進展させた。 第一に、生理指標の計測についてより簡易に計測できる装置を導入し、データ蓄積の簡易性を高めたことである。今年度はこの新しい計測機器によるデータ収集を実験的に重ねた。データは即時に得られ、被験者も自らの状態を認知できることが可能であるため、データ収集とフィードバックが同時に行うことができる。来年度はデータ取得及び解析を実践段階として行う予定である。 第二に、主観的幸福を計測するためのアンケート調査の項目内容の精査を行なったことである。新奇体験と健康回復に関する機能的評価は、個人の観光動機や旅行経験の相違にかかわらず、旅行満足に影響を及ぼす重要な評価となるという先行研究の知見をもとに、さらにウェルビーイング を促す手法の違い要因として仮説立て、これを検証するためにアンケート調査を実施した。統計的な分析を進めており、得られた結果は主観的幸福の調査に反映させていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響からフィールドワーク、及びデータの収集を積極的に行うことができず、調査項目の精査等を行なっている。今後は制約が少なくなることが見込まれるため、データを積極的にとることで遅れを回復することが可能と考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまで制約が多く実施することが難しかった実験を積極的に行い、データの収集、分析を行う。 実験は、地域の旅行会社と連携し、着地型観光型のツアーを造成して行う。現在分析を進めているアンケート調査の結果に基づき、心身の健康回復を念頭に置くとともに、ウェルビーイング の因子(自己実現と成長、つながり、楽観性、マイペース等)を抽出できる内容を検討し、データ収集を行う。得られたデータは分析を行い、学術論文にまとめるとともに、ツアーのPRにも繋げられるよう発信をしていく。
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