研究課題/領域番号 |
21K12592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
芳鐘 冬樹 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30353428)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 図書館情報学 / 情報図書館学 / 引用分析 / 科学社会学 / 科学計量学 / 計量情報学 / 計量書誌学 / 引用分類 |
研究開始時の研究の概要 |
特許間の引用関係は,技術再活用や累積的な技術革新を示唆するものとして,技術動向の把握や予測に応用されるが,学術論文における引用と同様,特許の引用にも様々な種別が存在すると考えられる。特許の引用情報から,より精緻で具体的な示唆を得るためには,まず引用種別の類型を整理する必要があると考え,本研究は,引用が担う機能の差異に着目した類型化を行う。日本の出願特許を対象に,生起する引用の機能を調査した上で,それらの類型を系統的に整理することを主たる目的とする。あわせて,特許が受ける引用の種別の時系列変化にも着目し,特許の特性と引用種別の傾向の変化との関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
機能的観点を含む複数の観点から特許の引用を類型化できた。しかしながら,引用の機能などの観点から,引用種別(分類の区分肢)の分布の時系列変化を調査した結果,文書間の引用関係の分布に明確な変化の傾向は観察されなかった。 一方,文書の研究領域間の関係については,いくつかの時系列変化の傾向が観察された。例えば環境科学分野では,直接つながっている領域の数に大きな変化はないが,領域間の関係の結集性は強くなってきている。領域横断的な研究開発が盛んなってきている状況を踏まえると,こうした分野の特徴にも留意しなければ,特許の引用種別の変化パターンと関わりの強い書誌的特性を特定することは困難であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特許の特性に関する分析において,経済的価値でなく,引用関係が表す技術・知識の系譜における位置づけに注目している研究は未だ少ない。特許間引用に着目することで,短期的に利益を上げるというより,長期的視野のもとで研究開発を活性化させるための示唆(学術研究の技術革新への影響に関する,研究機関・国の科学技術政策への示唆)が得られると期待できる。 特に,特許の機能的な引用種別を調査し,それらの類型化を通して俯瞰的な概念・観点整理を行い,それらの観点から特許の特徴を明らかにすることにより,知財戦略や研究開発戦略に資する知見が得られると期待できる。
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