研究課題/領域番号 |
21K12672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
村山 嘉延 日本大学, 工学部, 准教授 (80339267)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 受精卵 / 培養温度 / 体温 / ゆらぎ / 月経 / 基礎体温 / 深部体温 / 月経周期 / 妊娠 / 受精卵培養 / 発情周期 / 卵子品質 / 体内深部温度 |
研究開始時の研究の概要 |
本来,受精卵は母親の胎内で発育する.一方でヒト生殖補助医療では,卵子は受精後の数日を体外培養環境で発育した後に母胎に移植される.体外培養温度は世界的に同じく37℃一定であり,培養温度が変化してストレスを与えてはいけないとされているが,それでもなお母親の胎内で発育した卵子に比べると品質が劣り妊娠率が低い原因となっている.本研究では「受精卵本来の発育環境にみられる温度変動を模倣した方が発育度が良いはずである」という仮説を立て, (1)受精後早期の妊娠マウスの深部体温変動から特徴パターンを抽出し,(2)深部体温変動を模倣する培養器を開発してマウス受精卵を培養することにより本仮説を証明する.
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研究成果の概要 |
妊娠した雌マウスでは明期(休息中)の体温が0.6℃上昇するとともに概日リズムが大きく減少し,不規則変動成分ではばらつきが減少するが逆に複雑性が増加する結果を得た.成人女性においても就寝時の腹部皮膚温のゆらぎ変化から卵胞期,排卵期,黄体期を判別できることが分かった.加えて,腹部皮膚温の最高値を指標とすることで従来の舌下温測定と同等の基礎体温表が描けることが分かった.最後に,受精卵培養に24時間周期のゆらぎを与えたところ,形態学的品質が「良い」および「普通」に分類される胚が1.8倍ほど増加し,「悪い」に分類される胚が減少した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト生殖補助医療では,卵子は受精後の数日間を37℃一定の人工的な体外培養環境で発育した後に母胎に移植される.一方で,受精卵本来の培養環境である母親の深部体温はゆらいでおり.この体温変動を模倣することでより卵子に優しい培養環境を提供できる可能性がある.しかし,これまでに女性の体内深部温度のゆらぎが詳細に調べられたことは無かった.妊娠した雌マウスにのみ確認できた体温変動は,胚盤胞がまだ子宮に着床していない受精後5日以内に妊娠を判別できる可能性を示す.さらに,ゆらぎのある体外培養温度は受精卵品質を向上させる可能性が示されたことから,体外受精におけるさらなる着床率向上に貢献することが期待される.
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