研究課題/領域番号 |
21K12683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
柳本 泰明 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (60434833)
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研究分担者 |
松本 卓也 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40324793)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 新規生体軟組織用接着材 / 医療機器 / 生体接着剤 / チタン薄膜 / リン酸カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
中心静脈カテーテル留置ポート(中心静脈ポート)は化学療法剤の投与経路や末期癌患者の輸液確保など広く利用されている。ポート本体の固定は術者の技量が必要であり、本ポートの簡便な固定実現は重要なチャレンジである。我々は軽く圧接するだけでマウス筋膜組織に接着するチタン、チタン合金薄膜の開発に成功している。しかし、医療用デバイスを長期間固定し、高い信頼性を獲得するには、さらに高い接着力ならびにin vivoでの長期評価が必要である。そこで、本研究では、このチタン接着材薄膜の物理化学修飾による筋膜接着力の向上、ならびに中心静脈ポートの筋膜固定長期評価を目的に研究を進める。
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研究成果の概要 |
新規生体軟組織用接着材の候補として、チタン薄膜の酸処理方法を改良することで、接着力の向上が認められた。臨床応用を目的として中心静脈ポート+チタン薄膜複合体を作製し、小動物を用いて筋膜固定実験を行ったが、小動物の筋膜周囲には水分が多く中心静脈ポート+チタン薄膜複合体は接着しないことが判明した。 続いて別の候補としてハイドロキシアパタイトを用いた生体接着剤について検討した。極めて高い接着力があり、さらに腹腔内臓器にも接着できることが判明した。小動物のin vivoの検討においても腹腔内臓器にも接着することが示されその結果について科学雑誌に報告した。今後臨床応用に向けた検討を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では新規生体軟組織用接着材の2つの候補に関して次の結果が得られた。①チタン薄膜への酸処理方法を改良することによる接着力の向上が認められたこと。②ハイドロキシアパタイトを用いた生体接着剤が内臓臓器への接着力が認められたこと。これらの結果はともに新規の発見であり、今後体内埋め込みデバイスの固定や手術における臓器組織の圧排など外科処置・手術の応用利用に寄与することが期待される。
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