研究課題/領域番号 |
21K12725
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古々本 一馬 大阪大学, 歯学部附属病院, 特任助教(常勤) (00803107)
|
研究分担者 |
野崎 一徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (40379110)
大川 玲奈 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (80437384)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 小児歯科 / 成長予測 / 人工知能 / 画像生成 / 敵対的生成ネットワーク / 深層学習 / 成長 |
研究開始時の研究の概要 |
小児歯科ではパノラマエックス線写真や口腔内写真の撮影が行われ、子どもの成長に応じた治療計画を立てる際に用いられている。子どもの成長により将来生じる事象を予測しながら歯科治療を行う必要があり、将来予測には専門的な知識を要する一方、専門医の数は不足しており、現状では一般歯科医が多くの小児の歯科治療を行っている。そのため、現在の状態から将来口腔内に生じる事象を予測するといった小児歯科の知見を広く普及させる必要がある。本研究では、小児のパノラマエックス線写真および口腔内写真の成長による変化をAIにより予測し、子どもの未来の医療画像を生成し、小児の歯科治療する際の支援を行うシステムの構築を目指す。
|
研究実績の概要 |
昨年度、小児が成長した後の口腔内写真およびパノラマエックス線写真を、敵対的生成ネットワークを用いて生成出来る可能性を示した。本年度は、より良い画質で画像生成を行うため、様々なモデルを検討した。データセットとして、35,254枚の口腔内写真および8,093枚のパノラマエックス線写真を用意した。成長予測を行うための敵対的生成ネットワークの候補として、PGGAN、StyleGAN、StyleGAN2、StyleGAN2-ada、StyleGAN3を比較し、口腔内写真およびパノラマエックス線写真の生成に最適なモデルおよびパラメータの検討を行った。生成画像の画質の評価には、GANの評価で一般的に用いられるFrechet Inception Distance(FID)を採用した。本年度で比較検討を行ったモデルおよびパラメータを採用することで、昨年度と比較してより良い画質で画像生成および成長予測を行うことが可能であると示された。 また、成長予測を行うに当たり、現在時点での画像の評価も必要と考えられる。しかし、小児の成長には個人差があるため、暦年齢で一律に評価を行うよりも歯年齢により評価を行う方が望ましいと考えられる。そこで、8,093枚のパノラマエックス線写真を用い、歯年齢を自動的に計算するモデルを作成し、小児歯科医による歯年齢の計算結果との比較評価を行った。その結果、作成した歯年齢計算モデルの誤差は臨床的に許容可能であると考えられる誤差で自動計算を行うことができた。歯年齢計算モデルに関する研究成果は英文校正および論文投稿を行っており、査読結果を待っている段階にある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度中に口腔内写真およびパノラマエックス線写真が生成可能であることを明らかにし、論文が受理されている。本年度は、より良い画質で画像生成を行うためのモデルおよびパラメータ探索を行ったため、次年度には成長予測に関する研究成果をまとめて論文投稿を行うことが可能となる見込みである。また、歯年齢を求めるモデルに関する研究内容は既に英文校正および論文投稿を行っており、査読結果を待っている段階である。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度で求めた最適なモデルおよびパラメータを用い、より良い画像生成を行う。また、本研究課題の成果をまとめ、小児歯科における成長予測システムに関する論文投稿を行う。
|