研究課題/領域番号 |
21K12760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田村 俊世 早稲田大学, 次世代ロボット研究機構, その他(招聘研究員) (10142259)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | カフレス血圧計 / 国際標準 / 医療機器認証 / レギュラトリ―サイエンス / レギュラトリサイエンス / 国際標準規格 / 医療機器承認 / (独)医薬品医療機器総合機構 / 血圧計 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会を迎える中、高齢者が健康かつ生活の質を高めるために、個人の健康維持や疾病の予測・予防が社会的課題になっている。わが国メーカは健康管理を目的とした先進的な医療機器・センサに関しての技術を有しているが、市場展開にあたっては健康管理機器といえども医療機器の国際規格を満たさなければならないことが課題となっている。このため、本研究では、低侵襲な循環動態測定法として、脈波又は脈波伝搬速度を用いた血圧に類するデータの収集方法の確立とその機器の推定精度、安定性、再現性を提案して生体情報取得機器についての国際標準化ならびに医療機器承認のガイドライン作成を行う。
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研究実績の概要 |
カフレス血圧計試作器を用いた実証実験としてJIST1115に準拠した精度検証をまとめて、標準化委員会に提示した。 ①被験者30名でJIST1115に準拠したプロトコルで、聴診法を標準機器として用い、2人の経験ある観察者により安静時の血圧を測定した。同時にカフレス血圧計による血圧推定値を比較検討した。その結果、従来のカフ式血圧計の規格である5±8mmHg以内の精度を示し、カフ式血圧計が同等の精度有することが示された。 ②次の実証実験として長期安定性の草案を作成した。まず、標準機器の選択は、医療機器として認証された容積脈波法の血圧計を用いるこことで聴診法の複雑なプロトコルを行わない提案をした。再設定の期間については、高血圧患者を仮定して、定期検診の期間1か月としてプロトコルとして標準機器と比較は4週間後に再設定すると仮定した。プロトコルは最初の1週間は毎日朝晩2回として、2週間目から毎日朝一回の比較を行うとした、精度は、市販のカフ式血圧計の許容誤差と開発品の誤差を考慮して誤差伝播則を用いて決定した。その結果、長期間の血圧推定値は、安静時の規格値を満足はしなかったが、ISO81060-3連続血圧計の精度とほぼ同等の値が得られた。英国の規格であるBHSのgradeAの規格は満足することができた。 ③ 標準規格の提案を行った。ISO/TC121/S3/JWG7(非侵襲血圧計)部会にカフレス血圧計の国際標準を提案しているが、まだ議論開始には至っていない。 さらに、市販されている耳式血圧計の精度評価を行い、装着に問題は残るものの、十分な精度が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医療機器認証・承認のための検証プロトコルの提案を行い、国際誌へ投稿し受理されたことにより、研究計画は順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
カフレス血圧計の長時間安定性評価のプロトコルの議論を継続する。重要課題として国際標準である聴診法との整合性を引き続き検討していく。すなわち、機械的に正確であるマイクロフォンの音響特性と個人差があるヒトの耳を介した音響特定をどのように一致させるかを追求する。
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