研究課題/領域番号 |
21K13055
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
張 セイイ 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 講師 (60791332)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 韻律 / 声調 / 音程知覚 / 言語処理 / 心理言語学 / 項目応答理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本科研では,日本人中国語学習者の相互コミュニケーション能力を向上させるため,日本人学習者に対して,(1)単音レベルの音程知覚,(2)語レベルの声調知覚・産出,(3)文レベルの韻律知覚の能力を測定する。特に,韻律課題では視線計測の手法を使って,文中から文末への中国語の韻律情報の理解について検討する。以上の3つの能力の関係から,日本人中国語学習者の音程から声調そして韻律という流れで音韻的な理解を考察し,現場の教育に活用する。
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研究実績の概要 |
2021年度は,単音レベルの音程知覚テストと2字漢字語レベルの声調知覚・産出実験のための刺激語を選定し,実験計画をたてた。また,中国語を第2外国語として学ぶ日本人学習者の文法能力を測定するためのテストを開発した。このテストを,入門から初中級レベルに相当する日本人中国語学習者154名に実施した。この結果は,『ことばの科学』(張セイイ・玉岡賀津雄,2021,35, 51-68)に掲載した。この論文では,この文法能カテストの弁別力が高く,実用性があることを示した。加えて,入門レベルの学習者を中心に,総合能力を測定するテストも開発した(Tamaoka & Zhang,2022)。さらに,日本人中国語学習者149名と中国人母語話者38名を対象に,日中の母語話者の時間詞の位置の適切性および日本人中国語学習者の時間詞の位置選択について3つの実験を行った。そして,日本人は,場所の句の後に時間詞もってきても許容できるが,中国人はこの位置を容認しないことが分かった。さらに,日本人中国語学習者を中国語能力で上位・中位・下位群に分けて時間詞の位置を考察した。その結果,下位群は日本語母語話者のような時間詞の位置を好むが,上位群になると中国語母語話者のような時間詞の位置を好むようになることが示された。つまり,中国語能力が向上すると共に,中国語母語話者の時間詞の位置の好みへの変化していくことが観察された。この研究成果は,Frontiers in Psychology(Tamaoka & Zhang, 2022, 12, 1-13)の国際学術誌に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際ジャーナルに論文を1本掲載し,また,日本語の学術誌にも3本掲載したこと。
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今後の研究の推進方策 |
2022年4月(中国語を履修する直前)と8月(中国語を履修する直後)に,アクセントの有るの地域とアクセントの無いの地域の日本人中国語学習者を対象に,(1)単音レベルの音程知覚テスト,(2)2音節レベルの声調知覚実験,(3)2字漢字語レベルの声調知覚・産出実験を対面で実施し,学習者の音程知覚と声調知覚・産出を測定する。さらに,2023年度には,(3)文レベルの韻律知覚実験を加えて測定する予定である。
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