研究課題/領域番号 |
21K13381
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 明治大学 (2022) 埼玉大学 (2021) |
研究代表者 |
加藤 拓巳 明治大学, 商学部, 専任講師 (90882225)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | デザイン / 知覚品質 / 商品開発 / 車 / CMF / 仕上げ / ランダム化比較試験 / 消費者行動 / 商品デザイン / 色 / 光の反射量 / 二面性 / マット加工 / プロモーションカラー / カラーブランド / 自動車 / 工業デザイン / 感性的価値 |
研究開始時の研究の概要 |
機能的価値から感性的価値に競争力の源泉が移り,多くの企業が転換を図っているが,依然として十分とは言い難い状況である.理由の1つとして,デザインの重要性は盛んに議論されているものの,具現化方法の研究が乏しいことが考えられる.デザインは,大別して形状と知覚品質に分けられ,前者に焦点が置かれやすい.しかし,形状は投資した時間と費用に比例して質が高まるものではない.一方で知覚品質は,相応に成果が現れ,かつ時代に依存しにくい.よって,科学的に効果を実証したうえで,その開発能力を組織に組み込むことで,企業の競争力に寄与する.本研究では,同じ商品・形状のもと,色の質による消費者価値に与える影響を評価する.
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研究成果の概要 |
本研究では,車のエクステリアデザインの文脈にて,以下4つの視点から感性的に色の魅力を高める効果を明らかにした.(1)光の反射量:色の主観的要因の1つである光沢感は購入意向を高めた.(2)色の二面性:青白い色は,色単体の評価では魅力があるものの,車では負の影響を与えることが明らかになった.(3)加工:高級車を中心に,自動車メーカーはマット加工をオプションとして提供しているが,マット加工は色の知覚品質に負の影響を与えることを確認した.(4)プロモーション:保有する色とプロモーションで使用される色は同じ方が魅力的に見えることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コモディティ化した市場では,性能や耐久性による差別化には限界があるため,デザインによって差別化し,ブランドを構築すべきである.デザインはスタイリングが注目されがちであるが,本研究で示したとおり色の知覚品質の影響も大きい.学術界においては,知覚品質の効果と理論の体系化のさらなる進化に貢献できることと考えている.産業界においては,本研究の成果の適用先は自動車業界にとどまらないことである.色という資産は,新しい技術を開発するよりも低コストであり,どの業界・企業でも利用できる競争力の源泉である.その価値を改めて示すことで,学術的な研究と議論を活発にし,産業界へ有益な示唆を提供できる.
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