研究課題/領域番号 |
21K13508
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
|
研究機関 | 公益財団法人岩手生物工学研究センター |
研究代表者 |
上杉 祥太 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生物資源研究部, 主任研究員 (30795901)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | フキ属 / 山菜 / 成分多様性 / 健康機能性 / 化学分類 |
研究開始時の研究の概要 |
キク科フキ属に分類される山菜であるフキ・フキノトウは、機能性素材の原料として有望な機能性を有するが、“化学分類”と考えられる主成分の多様性があり、その実態が十分に解明されていない。そこで本研究では、フキ・フキノトウの成分多様性を把握した上で、主な成分を単離同定し、化学分類の全体像を解明する。さらに、国産のフキ・フキノトウ品種を対象とし、化学分類と機能性素材としての適性(健康機能性・安全性・呈味性等)を解明する。以上、我が国独自の伝統食材“山菜”を対象とし、“化学分類”と“健康機能性”を融合することで、成分と機能性に関する学術基盤の整備と、新たな視点での機能性素材としての活用法創出を目指す。
|
研究成果の概要 |
本課題では、自生および国産品種のフキ・フキノトウを対象とし、成分多様性と健康機能性の解明に取り組んだ。まず、自生のフキ・フキノトウの成分分析と単離・構造解析により、化学分類を規定するテルペノイドを同定した。それを用いて、国内で流通するフキ・フキノトウ品種の化学分類を整理した。フキ属に特有のテルペノイドが持つ機能性として、petasinの抗肥満作用について解析し、脂質合成関連遺伝子の発現を抑制するという作用機序を明らかにした。さらに、国産フキノトウ品種を対象にポリフェノールとピロリジジンアルカロイドの含量を定量し、毒性に関わるピロリジジンアルカロイド含量が少ない品種を見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
山菜は、文化や地域産業において重要な食資源であるが、機能性については未解明な点が多い。有用な機能性とそれを担う成分を明らかにすることで、高付加価値化・用途拡大に繋がる。特に、本課題では国産品種を対象としており、それぞれの特徴の解明により地域の産業振興に貢献し得る。また、実態が不明な化学分類の解明は、学術的に新規な知見に繋がる可能性を持っている。そして、その成果を成分育種へと応用することで、優れた成分特性を併せ持つ新品種の開発等、新たな視点・方法での山菜の活用法創出に貢献し、我が国独自の食資源である山菜の価値再発見に役立つことが期待される。
|