研究課題/領域番号 |
21K13509
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
|
研究機関 | 秋田県総合食品研究センター |
研究代表者 |
佐藤 友紀 秋田県総合食品研究センター, 醸造試験場, 研究員 (40807723)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 発酵食品 / D-アミノ酸 / 脂質代謝 / 脂肪肝 / 機能性 / 醸造 / 栄養化学 |
研究開始時の研究の概要 |
アミノ酸の食品機能性は研究が進んでいるが、「D-アミノ酸」の機能性に着目した研究は少ない。一般的に食品中のD-アミノ酸量は少なく、D-アミノ酸単体で食品添加物認定されたものもないため、これらの課題がD-アミノ酸研究のボトルネックになっていると考えられる。一方、発酵食品に限っては高濃度のD-アミノ酸を含む。そのため、D-アミノ酸に新規の生体調節機能を見出すことができれば、発酵食品独自の付加価値向上に寄与する。 本研究では、ヒト由来細胞と実験動物を用い、D-アミノ酸の生体調節機能とその機序を解析する。さらに、生体調節機能が認められたD-アミノ酸については、L体との比較も行う。
|
研究成果の概要 |
ヒト肝癌由来HepG2細胞において、脂肪酸処理によって細胞内に脂肪滴を蓄積させ、脂肪肝モデル化する条件を確認した。脂肪酸存在下でHepG2細胞をD-アミノ酸で処理し、そのうちD-AlaとD-SerはD体特異的に脂質蓄積を抑制する可能性を示唆した。D-Alaについては遺伝子発現の解析によりその作用機序を一部明らかにした。哺乳動物での効果を確認するため、D-Ala、L-Ala、D-Ser、L-Serを高脂肪食に加え、ラットに与えた。ラットにおいては、D-Ala、D-Ser共に脂肪肝の緩和効果は認められなかった。そのため、D-AlaとD-Serによる抗脂肪肝効果はラットでは生じないことが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにD-アミノ酸の抗脂肪肝効果について、細胞と動物の両実験系を用い、さらにL-アミノ酸と比較して検証した例はなかった。また、細胞実験においてはD体とL体の生理機能の差異も示唆しており、学術的意義を示すことができたと考えている。 また、D-アミノ酸は発酵食品に高含有されることから、D-アミノ酸に特異的な生理機能を見出すことができれば社会的意義は大きいと考える。本研究において、D-アミノ酸によるラットでの抗脂肪肝効果を確認することができなかったが、細胞レベルでのD-アミノ酸とL-アミノ酸の生理機能の差異を示唆しており、D-アミノ酸特有の生理機能の解明が今後の研究に期待される。
|