研究課題/領域番号 |
21K13615
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 (2022) 大阪大学 (2021) |
研究代表者 |
永井 祐也 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 講師 (40814538)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 共同注意 / 注意共有方略 / 母子相互交渉 / 不適応 / 育児ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
特別支援学校には、不適応状態の自閉スペクトラム症(ASD)児が多く在籍しており、ASD児の不適応を予防する要因の特定は喫緊の課題である。本申請課題では、ASD児の不適応を予防する要因としてASD児の他者との共同注意の成立頻度に着目し、「共同注意が頻繁に成立するほど、ASD児の不適応は軽減される」という仮説を検証する。研究を遂行することにより、ASD児の不適応を予防する支援策をエビデンスに基づいて提言する。
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研究実績の概要 |
児童発達支援センターに通園する知的障害幼児とその母親31組 (内、ASD児とその母親28組) を対象に、母子相互交渉場面におけるASD児の共同注意行動の生起頻度と児の不適応行動、母親の育児ストレスとの関連を検討した。その結果、ASD児の共同注意行動の生起頻度と不適応行動との程度との間に負の相関関係が示された。また、ASD児の共同注意行動の生起頻度と母親の育児ストレスとの間に負の相関関係が示された。「ASD児の共同注意が頻繁に成立するほど、ASD児の不適応は軽減される」という本研究申請課題の学術的問いを幼児期において実証したとともに、共同注意が頻繁に成立するほど、母親の育児ストレスも軽減される可能性が示唆された。 また、「ASD児の共同注意が頻繁に成立するほど、ASD児の不適応は軽減される」という本研究申請課題の仮説を思春期において検証するために得たデータを用いて、ASD児の不適応状態の様相を定量的に検討した。その結果、医療受診が推奨されるほど不適応な状態であるASDの小・中学生が全体の半数以上であることが示された。一方で、ASD児のASD特性の強さは不適応状態との相関関係は示されず、医学的診断のあるASD児においてはASD特性の強さに関わらず不適応に陥りやすく、それらの関係は線形的ではない可能性が示唆された。これらの結果から、不適応状態を呈するASD児への対応とともに、ASD児が不適応に陥らないように予防する支援策を講じる必要があることを定量的なデータに基づいて示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題申請時に計画していた調査、および、研究計画当初予定していなかった比較対照群の調査を完了している。また、幼児期において、本研究課題の学術的問い「共同注意が頻繁に成立するほど、ASD児の不適応は軽減される」を実証する結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
幼児期において得られた分析結果をもとに、学会発表、論文執筆する予定である。 また、思春期のASD児と母親の相互交渉場面の行動観察を行い、得られた評定値とASD児の不適応との関連を分析し、学会発表、論文執筆する予定である。
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