研究課題/領域番号 |
21K13766
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
神代 真也 小山工業高等専門学校, 一般科, 助教 (40896023)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 可換環論 / Cohen-Macaulay環 / Gorenstein環 / トレースイデアル / ブルバキ完全列 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は、ブルバキ完全列の理論を深化させ、可換環上の加群の構造論に新たな展開をもたらすことである。ブルバキ完全列を用いることで、加群の情報をブルバキ完全列に現れるイデアル(=ブルバキイデアル)に遺伝できる。すなわち、既存の環の内部構造の理論(=イデアル論)を、環の外部表現の理論(=加群論)に応用するためのかけ橋となる。本研究では、このブルバキ完全列に対して、新たな解析方法を提供することを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、以下の研究を行った。 ■正準加群のトレースイデアルのcolengthはゴレンシュタイン性との乖離を測る不変量になる。我々は正準加群のトレースイデアルのcolengthが大きい1次元コーエン・マコーレー環に着目し、その環構造や加群の性質について調べた。とりわけ重複度が小さい数値半群環の場合において前述の性質を持つ環を分類した。その応用として、正準加群のトレースイデアルのcolengthの上限についていくつかの文献で提出されていた2つの予想に対してどちらにも反例が存在することを示した。■正準イデアルの節減に着目したコーエン・マコーレー環の新しい不変量を与え、その不変量を用いてゴレンシュタイン性との乖離の記述を目的とした二つの性質(almost ゴレンシュタイン性とnearly ゴレンシュタイン性)の関係について調べた。■既約ヒルベルト関数とヒルベルト関数の間の不等式を示し、既約ヒルベルト関数によるウルリッヒ加群の特徴づけを与えた。■(次数付)ブルバキ完全列を一般化する新しい次数付フィルトレーションの構成方法を与えた。応用として、節減数が2以下のイデアルまたは節減数が2以下の整閉イデアルのとき、そのイデアルの第0次, 第1次, 第2次ヒルベルト係数の間に不等式が成り立つことを示した。またその不等式が等号になる必要十分条件が随伴次数環のdepthが次元-1以上であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブルバキ完全列を用いて応用を目指していた課題について、(ブルバキ完全列を用いなかったものも含めて)上述の研究実績の概要にある通り興味深い結果を挙げることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響により延期していた海外研究者への訪問を実施し、ブルバキ完全列そのものの解析に着手する。
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