研究課題/領域番号 |
21K13893
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 健 京都大学, 化学研究所, 助教 (70883536)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 会合性高分子 / 紐状ミセル溶液 / 絡み合い状態 / レオロジー / ダイナミクス / 高分子 / 絡み合い / 分岐構造 / 粗視化モデル / 分子動力学法 / バネ・ビーズモデル / 非絡み合い高分子系 / 絡み合い高分子系 / 会合・解離 / 界面活性剤溶液 / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
会合性高分子は,可逆的な会合・解離の影響で,通常の高分子にない自己修復性や外場応答性を示す.このような会合性高分子は新規材料として応用可能な面を持つ一方,その絡み合い運動と会合および解離の競合によって現れるダイナミクスを予測することはいまだに困難である. 本研究では,実験と連携することで,会合性高分子のダイナミクスを予測するモデルを構築する.そのモデルを用いた数値計算により,絡み合い会合性高分子のレオロジー挙動の背後にある分子運動の理解を開拓することを目的とする.更にこの研究を通して,分子間に会合・解離や分裂・結合等の機構を有する分子のレオロジーの理解の糸口を掴むことを目指す.
|
研究成果の概要 |
動的な結合を持つ絡み合った会合性高分子のレオロジー挙動は,絡み合い運動と会合・解離の競合によって現れる.このような高分子の長時間ダイナミクスに対する重要な運動機構を議論するために,粗視化モデルを用いた数値計算が有効である. 本研究では,絡み合い・会合性高分子系およびこの系と類似の機構を持つ紐状ミセル溶液系に対する粗視化モデルを構築することを目指した.主要な成果として,実験検証が比較的容易な後者の系に対して,実験のレオロジー挙動を再現する粗視化モデルを提示できた.さらに,非絡み合い/絡み合い高分子系に対するモデルを拡張することで,会合性高分子系のモデルを高精度化するための基盤を構築した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常の絡み合い高分子系に対しては,粗視化モデルの構築を含めて精力的な理論研究が行われてきた.一方で,絡み合いによる束縛に加えて,会合・解離(または結合・分裂),すなわち分子間の「反応」を持つ高分子類に対する知見は未だに乏しく,実用的なモデルはこれまでに提案されていなかった.本研究では,そのような機構を持つ高分子類のレオロジー挙動を予測する粗視化モデルの1例を提示できた. 構築した粗視化モデルをさらに発展させれば,レオロジー実験と同程度の精度の数値実験を行うことができる.このようなモデルから生成される質の高いデータは,データ駆動の手法を用いた物性予測の加速に資するという意義があると考えられる.
|