研究課題/領域番号 |
21K13910
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 將樹 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (20871106)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ダークマター / 物質反物質非対称性 / 重力波 / インフレーション / バリオン数の非対称性 / 相転移 / アクシオン / 超弦理論 / 余剰次元 / 宇宙論 / ランドスケープ / バリオン数の起源 |
研究開始時の研究の概要 |
超弦理論や量子重力理論に基づいたトップダウン的なアプローチによって、初期宇宙論の様々な問題に取り組む。宇宙初期に起きたとされるインフレーションのエネルギースケールにおいては、超弦理論から予言されるストリングランドスケープと呼ばれる複雑なポテンシャルのなかでのダイナミクスを考える必要がある。ここで、その複雑さを利用することによって統計的な議論を行い、様々な観測量に対して確率的な予言を行う。一方で、宇宙のバリオン数の起源の問題に対しては、超弦理論の低エネルギー有効理論において予言されるアクシオンのダイナミクスを用いた可能性や、アフレックダイン機構と呼ばれる方法による可能性を探る。
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研究成果の概要 |
初期の宇宙は高温高密度な状態になっており、現在知られている素粒子の標準模型が適用可能でない可能性がある。実際、標準模型を用いてもインフレーションやバリオン数の生成を行うことができず、それを超えた新しい物理が必要である。本研究では、超弦理論などから示唆されるような素粒子の有効理論を駆使して、初期宇宙においてインフレーションやバリオン数の生成がどのように実現されるかを研究し、現在の宇宙観測と無矛盾な宇宙論的シナリオが実現可能であるかを議論した。また、そのなかで将来の実験や観測に対する予言を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
素粒子の標準模型の拡張として有力な、アクシオン、余剰次元、CP対称なモデル、pure Yang-Mills理論といったモデルに注目し、それらが宇宙におけるダークマターやバリオン数の生成機構とどういった関連があるのかを議論した。また、それらのモデルは、荷電レプトンフレーバー対称性の破れ、強いCP位相、重力波などの将来的な観測実験によって検証が可能であることを明らかにした。これにより、将来的な素粒子や宇宙の実験観測によって、高エネルギーの素粒子模型の情報や宇宙の成り立ちについての理解が深まることを示した。
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