研究課題/領域番号 |
21K13918
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
多田 祐一郎 名古屋大学, 高等研究院(理), 特任助教 (90837022)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | インフレーション / 確率形式 / 原始ブラックホール / 重力波 / 宇宙論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的を踏まえ具体的研究課題は次のように3つに分けられる. 1つ目はインフレーションの確率形式を理論的に整備するとともに, 数値計算プログラムを開発・公開し, さらに具体的なインフレーション理論の解析を行うことである. また本形式を応用し原始ブラックホール形成理論を探るとともに, 正確な原始ブラックホール量の計算法を確立する. そして原始ブラックホールに関連した初期重力波を通じてインフレーションに対して得られる情報を模索する.
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研究成果の概要 |
本研究では確率形式、原始ブラックホール (BH)、重力波の 3 つの視点からインフレーション宇宙の機構解明を目指した。本研究費により計 16 本の原著論文を執筆、確率形式におけるゆらぎの粗視化や非ガウスな初期ゆらぎから原始 BH 量を見積もる方法、そのような場合における重力波量の推定等々を確立した。これらの功績が認められ、書籍 "Black Holes in the Era of Gravitational-Wave Astronomy" の 1 章に招待され、原始 BH の関する総括論文 arXiv:2211.05767 を Escriva 博士および Kuhnel 博士とともに執筆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙に満ちる暗黒物質の正体が未だ不明な中、その候補として原始 BH が注目を集めている。小惑星程度の質量の原始 BH であればこれまでの観測と矛盾なく暗黒物質を説明できる一方、その証拠を観測的に得ることは難しい。そこで副産物である重力波が間接的証拠として注目され、将来の宇宙望遠鏡 LISA で観測可能であることが示されている。本研究により原始 BH 量と重力波量のより定量的な関係性が明らかになり、実際に重力波が観測された際に原始 BH の間接的証拠としての根拠が強くなるとともに、インフレーション宇宙への示唆を得ることもできるようになった。
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