研究課題/領域番号 |
21K13947
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 九州大学 (2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
田中 聖臣 九州大学, 基幹教育院, 助教 (70838143)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 不安定原子核 / 中性子スキン / 不安定核ビーム / 荷電変化断面積 / 相互作用断面積 / 核半径 / 魔法数 / 物質半径 / 荷電半径 / 中性子過剰核 / 不安定核 |
研究開始時の研究の概要 |
魔法数を超えた領域で荷電半径の異常増大現象が数多く報告されている。この現象の起源は未だ不明であるが、中性子スキン厚・物質半径が重要な役割を担うことが近年指摘された。 この現象を解明すべく、本研究では二重魔法数核132Snを跨ぐ領域でSn同位体の中性子スキ ン厚・物質半径を測定する。特に中性子スキン厚の測定は、荷電変化断面積と相互作用断面積を組み合わせた手法を用いることで、荷電半径データがない135-137Snのような超中性子過剰核での測定も可能とする。そして、有力視されている複数の理論計算と実験データの比較から、どのような相互作用がこの新奇メカニズムの原因であるか突き止めるを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は魔法数を跨ぐ領域で発現する原子核半径の増大現象の起源解明のために、二重魔法数核132Snを跨いでSn同位体の中性子スキン厚の測定を目指すものである。中性子スキン厚は物質半径と陽子分布半径の差から導出されるが、Sn同位体では実験収量が極めて乏しい135-137Snの陽子分布半径は現在まで未測定である。そこで、本研究では荷電変化断面積による陽子分布半径の導出法を新たに確立し、Te同位体でのテスト実験により手法の妥当性を検証した。残念ながら当該期間中には加速器施設での実験割り当てがなされなかったためにSn同位体の実験実施が叶わなかったものの、検出器等の準備は整えることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陽子分布半径は原子核の基本的な物理量であり、不安定原子核に対する測定はレーザー分光法が主に行われてきた。しかし、適したビーム生成の収量の観点や適用核種の化学的性質に依存することから、極めて中性子過剰な原子核の適用は容易ではなかった。本研究で確立した荷電変化断面積を利用した陽子分布半径導出法は収量が乏しい核種にも適用可能であるため、超中性子過剰核に対する測定が本研究成果によって切り開かれる。このことにより、超中性子過剰核の中性子スキン厚の実験的決定にも取り組むことができ、原子核構造の議論や元素合成過程に必要不可欠な核物質の状態方程式の理解への貢献が期待される。
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