研究課題/領域番号 |
21K13982
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
椎名 陽子 立教大学, 理学部, 助教 (70845221)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 宇宙科学 / 移動度分析 / 宇宙化学 / イオン移動度分析 / 星間科学 / 原子分子 / 星間分子 / イオン-分子反応 / 異性体 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な分子雲における異性体(例:CH3CNとCH3NC分子)の存在比の違いは、環境の温度などを知る手がかりとしてALMA望遠鏡などにより積極的に観測されている。しかし、分子雲のような低温・低密度環境(温度10-300 K、密度10-10の6乗 個/cm3程度)における異性体が関わる化学反応の断面積や分岐比は、技術的な困難から限られた反応についてしか測定されていない。 本研究では、低温移動度分析装置とイオントラップを組み合わせて特定の異性体をイオントラップに蓄積する技術を開発し、異性体を反応物に含む化学反応の反応速度定数の温度依存性を測定して、観測から分子雲の温度を推定する新たな手法を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では分子雲の環境(温度・ガス密度・ガス組成・放射線強度など)を観測から知るための手がかりとすべく,分子雲中において異性体が関わる化学反応の 断面積や分岐比を詳細に調べるため,液体窒素温度に冷却した高分解能移動度分析装置の開発を行った.新たに一から組み立てたエレクトロスプレーイオン源によって,アルギニンなどの高分子イオンを生成することが可能になり,移動度分析を行えるイオンの幅が大きく広がった.また,冷凍機の導入と合わせて移動管全体のアライメントを見直し,移動度分析装置のイオンの透過率が改善したことで,移動度分析の時間効率が向上し測定できるイオン種の幅が広がった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では分子雲の環境(温度・ガス密度・ガス組成・放射線強度など)を観測から知るための手がかりとすべく,分子雲中において異性体が関わる化学反応の 断面積や分岐比を詳細に調べるため,液体窒素温度に冷却した高分解能移動度分析装置の開発を行った.移動度分析では,電場・磁場による分析で不可能な質量電荷比が等しい異性体イオンの分析が可能だが,2~20原子数ほどの小さな分子を測定する研究は比較的少なく,本研究で構築した装置で今後得られる成果には大きな意義があると考えられる.
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