研究課題/領域番号 |
21K13994
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
田邊 章洋 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究部門, 特別研究員 (90830448)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 降雪結晶 / 雪氷防災 / 積雪 / 雪崩 / 数値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
積雪層内部の弱い層(弱層)の破壊によって発生する表層雪崩は、雪山登山やスキーなどの人的要因によって誘引されることがある。弱層は観察を行う以前の気象条件によって積雪内部に形成されるため、その存在を雪面だけから判断することは困難である。 本研究は弱層形成の中でも特に降雪結晶に起源を持つものに注目し、降雪結晶形状を模した粒子を用いた数値堆積実験を行うことで、直接的にその形成機構の解明を目指す。降雪結晶形状と堆積構造の関係性を明らかにすることで、山地における防災対策および既存の予測モデルの高精度化に資する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は令和3年度に開発した高速化済み大規模非球形粒子数値堆積実験コードを用いた数値計算及び,令和3年度に引き続き野外での降雪粒子の観測を行った。また、降雪結晶起源の雪崩発生危険性を推定した後は、雪崩の流動危険性(どこまで到達するか)を示す必要があり、その研究を開始した。 降雪結晶の数値計算については、球形粒子を棒状に結合した単純な形状のクラスター粒子について、構成する球粒子数、初期配向や初期の回転の有無を変化させた場合の数値堆積実験を行い、その成果を2件の国際研究集会で発表した(WCCM-APCOM YOKOHAMA2022(オンデマンド発表),IGS Symposium on Snow(ポスター発表))。IGSでの発表については、他の発表者と共に参加報告を日本雪氷学会誌上に投稿し、掲載された。現在これらの発表の中で出た課題を解消しつつ、論文投稿の準備をしているところである。 冬季の降雪粒子の積雪過程の野外観測については、令和3年度の観測結果について国内で学会発表(日本雪氷学会東北支部会)を行い、同学会が発行する論文誌に投稿して掲載された。本観測が計測対象としている巨視的な積雪特性(積雪深・積雪密度)については、観測結果から降雪後2時間程度までは圧密が進まないことが示唆された。令和3年度の観測は強風等の影響でうまくいかない部分も多く、この結果を確かめるために、令和3年度の反省を活かして令和4年度も観測準備していたものの、一日中雪が降り続くような日がなく、期待していた状況下でのデータは取れなかった。しかしながら既存の観測結果を用いてJpGU2023の雪氷学のセッションでポスター発表することが決まっており、今後雪氷学会での発表も考えている。 流動危険性については、既存の雪崩シミュレータを用いて流動危険性を確率的に示す手法を研究し、和文での論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度に開発した高速化済み大規模非球形粒子数値堆積実験ソフトを用いて初期条件や形状を変化させた数値堆積実験を網羅的に行っている。これらの成果について国際研究集会で発表しているが、論文執筆が完了しておらず、やや遅れた状況である。観測については、令和3年度に観測手法を確立したが、令和4年度は理想的な気象条件がそろわず、希望していたデータが取得できなかった。令和5年度も観測を継続して対応する予定である。 一方で、降雪結晶起源の雪崩危険性を示した後の流動危険性については、流動する可能性のある積雪量の不確定性を加味して確率的に表す手法の開発に成功しており、今後降雪結晶起源の雪崩危険性を示した後で開発した手法と組み合わせることで、広域の雪崩危険度を示せる可能性が見えてきた。
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今後の研究の推進方策 |
棒状のクラスター粒子の堆積状態の形状(長さ)依存性や初期配向や角速度などの初期条件依存性を考慮した数値堆積実験について、国際研究集会で発表した資料や議論をもとに国際学会誌への投稿を目指す。 野外観測については、今冬も観測しつつ二冬期観測したデータをまとめ、国内雑誌へ投稿を目指す。 流動危険性については、和文での論文投稿を完了しており、その結果をさらに展開して英文誌への投稿を準備している。
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