研究課題/領域番号 |
21K14030
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 高知大学 (2023) 筑波大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
加藤 悠爾 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 講師 (80863406)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 珪藻 / 南大洋 / 形態 / 古環境復元 / 古環境指標 / 形態解析 / 微化石 / 形態測定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,南大洋(南極海)で最も優先・多産する珪藻Fragilariopsis kerguelensisの形態(大きさや形)に注目し,従来手法では取り出せなかった古海洋学的情報を取り出す,すなわち,F. kerguelensisの形態情報を新たな古環境指標として確立することを目指す.
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研究成果の概要 |
南大洋インド洋セクターにおける一連の研究航海(白鳳丸KH-19-1やKH-20-1など)で採取された海水プランクトン試料および表層堆積物試料の分析を行なった(合計約30地点)。また,2023年度の分析では,スライドスキャナを活用した大量の標本画像取得を行った。その結果,現生海水プランクトン試料においてF. kerguelensisの殻面積が南極前線付近で最大となることなどが明らかになり,かつ,表層堆積物試料(化石)においても同様な傾向が見られた。これによりF. kerguelensis化石の殻形態が,地質学的過去における海洋フロントの変動を調べるうえで有用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南大洋は,南極大陸を周回する世界最大の海流である南極周極流(ACC)の成立などを通じて地球規模の気候変動を駆動してきた。そのため,南大洋の古環境復元とりわけ「過去のACCがどのように振る舞ったか」を知ることは気候システムの理解さらには気候将来予測のためにも必須の課題である。従来手法では長期・連続的にACCの挙動を復元することは難しかったが,本研究を通じて,南大洋堆積物中に連続的に多産する珪藻であるF. kerguelensisの形態変化から過去のACC南限位置の情報を取り出すことができる可能性が示されたため,長期的かつ連続的なACC全体の変動史にアプローチ可能となった。
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