研究課題/領域番号 |
21K14061
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 旭川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
杉本 剛 旭川工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (30878161)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 熱処理変形 / セルオートマトン / 焼入れ / バラツキ / 量産荷姿 / サブクール沸騰 / 集団荷姿 / 繰り返しバラツキ / マルコフ性 / 沸騰流 / ばらつき |
研究開始時の研究の概要 |
従来,VOF等の計算負荷の大きい手法が用いられ,現実のプロセスへの適用や実用化の困難であった焼入沸騰の解析再現について,蒸気膜を二次元化して膜の進展と捉える低次元セルオートマトン法を用いることで簡便で実用的な焼入沸騰解析手法を提供する. また,セルオートマトン中で蒸気膜崩落部分が成長する様子を再現するにあたっては乱数種を織り込むことで焼入れ工程での「生産ばらつき」を再現できるシミュレーションとする.
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研究成果の概要 |
量産で用いられる集団焼入れを低負荷のシミュレーション上で再現する為,低次元セルオートマトン法とそのCFDとの組合わせを実装し,低次元セルオートマトン法の集団荷姿への適用可能性を確認検証した.実際の集団荷姿での熱処理変形や蒸気膜崩落状態分布の確認を行った.CFDと低次元セルオートマトンを組み合わせた計算により,直径180mmのリング形状部品において熱処理変形分布を再現する事が出来た. 以上の事により,量産熱処理工程に於いて行われる集団荷姿での焼入れで起こる熱処理変形バラツキやその繰り返し変動をシミュレーションにて再現する事に成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱処理は鉄鋼高強度部品を作るには必要不可欠な処理であるが,その過程で起こる熱処理変形は繰り返し不安定性やマルコフ性を持ち,従来の決定論的なシミュレーションでは予測困難であった.CASE等の超高精度形状を有する部品の製造が必要になっている昨今,熱処理変形を高精度の予測する需要は大いに高まっているが,従来手法ではその実現は困難であった.本研究により安価かつ特別な技術を要せず熱処理変形を予測できる手法が考案できたため,実際の現象を明確に理解している熱処理工程の生産技術エンジニアが,高度なシミュレーション技術を用いる事なく本来業務と並行して実際の品質を予測する事が出来,高い要求に答える事が出来る.
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