研究課題/領域番号 |
21K14154
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
成末 義哲 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (70804772)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 無線電力伝送 / 機械的接続機構 / 電磁力 |
研究開始時の研究の概要 |
無線給電機能を具備する電子機器を有線接続で充電するユーザは少なくなく,無線給電が期待通りに普及しているとは言い難い.普及を妨げる1つの要因として「スマートフォンの位置がずれていて充電できていなかった」などの予期せぬ動作不良の存在がある.それに対し,ケーブルを接続する有線接続は,ケーブルが電気的接続のみならず機械的接続としても機能することで予期せぬ動作不良を防いでいる.そこで本研究では,無線給電のための仮想的な機械的接続機構を開発する.給電可能範囲の内側から外側へ移動しようとする受電機器に対して,給電可能範囲の内側に留まらせようとする遠隔作用の力を発生させることで,予期せぬ動作不良を防止する.
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研究実績の概要 |
電磁力を用いた仮想的な機械的接続機構の開発に着手した.2次元無線給電用コイルアレイに電磁力コイルアレイを組み込むことにより,受電器に対して電磁力を発生させることができる.この電磁力を用いることにより,受電器を組み込まれた機器を固定したり,移動させたりすることが可能であり,従来の2次元無線給電システムにはない革新的なインタフェースの研究開発を進めている.本機構コンセプトならびに初期的実装は国際会議APMC2022のSDCにて発表し,1st Prizeを獲得した.また,本機構の電磁力発生機構を高度化すべく,無線給電と電磁力発生の両者が共用可能なフェライトコアを選定し,その性能評価により共用可能性を示した. 本研究では受電器を人が手に持った状態で無線給電を行うことを想定しており,共振周波数補正機構ならびに人体防護・ECM対策機構が必須である.共振周波数補正機構としては,FETブリッジ型の周波数補正回路を開発した.本機構では既存のFETブリッジ型周波数補正回路をただ適用するのではなく,共振器間結合の入出力特性に着目することで送受電器間の位相同期が不要な周波数補正回路を開発した.人体防護・ECM対策機構としては,磁気双極子モーメントに基づく漏洩磁界相殺方式ならびに入力電圧制御に基づく高調波相殺方式を開発した.磁気双極子モーメントに基づく漏洩磁界相殺方式は,同心の共振器から漏洩する磁界強度分布の類似性に着目し,無線給電に寄与しない磁界を相殺するための方式である.また,入力電圧制御に基づく高調波相殺方式では,整流回路の影響で生じる高調波をモデル化し,その高調波を相殺するよう入力電圧を整形する技術である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
着実な研究成果が得られており,研究開発は順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は電磁力を用いた仮想的な機械的接続機構の高度化に取り組む.また,受電器を人が手に持った状態で無線給電を行ううえで求められる技術の研究開発を継続して実施する.得られた要素技術については他技術への応用についても検討し,無線給電システムの高度化を推進する.
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