研究課題/領域番号 |
21K14237
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
研究代表者 |
高舘 祐貴 国立研究開発法人建築研究所, 構造研究グループ, 研究員 (20848311)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 設計風速 / 地表面付近の風速 / 平均風速 / 変動風速 / 風洞実験 / 数値流体解析 / POD解析 / 建築基準法 / 低層建築物 / 風速の鉛直分布 |
研究開始時の研究の概要 |
平成12年建設省告示第1454号(以下,「告示1454号」)や日本建築学会の建築物荷重指針・同解説等では地表面付近の高さZb以下の設計風速は一定値として与えられている。地表面近傍の流れ場は,障害物(粗度)の影響を受けて流れ場が複雑になるだけでなく,実測や風洞実験では実験機器の制約等によって詳細な検討は行われていなかった。しかし,近年,数値流体解析によって建築物に作用する風圧や流れ場を高い精度で予測・再現することが可能となっている。本研究では風洞実験及び数値流体解析を用いることで,基規準等で一定値とされている地表面付近の設計風速を提案し,合理的な耐風設計を可能にすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は基規準で一定値とされている高さZb以下の設計風速やその風速の組織的な構造について風洞実験及び数値流体解析を用いて検討したものである。 本研究で実施した風洞実験及び数値流体解析の範囲において,基規準で与えられている平均風速は安全側の評価であり,地表面付近で基規準の風速よりも増速する範囲は見られなかった。変動風速については,基本的な特性を評価することに加えて,これまでの研究によって得られている平均風速比から乱れ強さやガストファクターを推定する経験式の適用範囲を拡張した。さらに,固有値直交関数展開(POD解析)によって粗度ブロックのある地表面付近の流れ場の組織的構造を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は台風等の強風によってしばしば被害が発生する低層建築物や小規模工作物(低層建築物等)の強風被害を低減するためのものであり,建築基準法で詳細な構造設計が求められていない低層建築物等を強風に対して安全かつ合理的に設計するために,地表面付近の高さZb以下で安全側に与えられている風荷重を適切に評価すること目的としている。 本研究によって地表面付近の高さ方向の設計風速を低減することができれば,風荷重に対して詳細な構造設計をした場合でも非現実的な設計を求められることはなくなり,適切な設計によって多くの低層建築物等の強風被害の低減に寄与するものとなる。
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