研究課題/領域番号 |
21K14247
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
宮本 慎太郎 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 講師 (60782711)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 道路復旧 / 地盤補強技術 / 展開構造 / バイオ素材 / 性能評価 / 災害復旧 / 展開式セル補強材 |
研究開始時の研究の概要 |
災害時に備えた「備蓄」,災害後の「運搬/施工」,種々の被災状況への「適応」,本復旧を見通した「撤去」を考慮した新たな災害道路復旧用地盤補強材(「ステレオバイオ地盤補強材」と称する)を開発する.備蓄性/運搬性/施工性を考慮した展開構造を有する補強材を検討し,その性能を実大実験により確認する.また,適応性向上を目的とした各種室内実験により,種々の被災状況を考慮した補強方法を検討する.補強材のバイオ素材化を行い,適応期間中の耐久性の維持,撤去後の自然分解による環境負荷の低減を実現する.上記の検討結果を元に,災害時の道路のクライシスマネジメントに資する性能評価法を提案する.
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研究実績の概要 |
本研究は,被災道路の早期復旧のために,災害時に備えた「備蓄」,災害後の「運搬/施工」,種々の被災状況への「適応」,本復旧を見通した「撤去」を考慮した新たな災害道路復旧用地盤補強材(「ステレオバイオ地盤補強材」と称する)を開発する.地盤補強材の備蓄性/運搬性/施工性を向上させるための展開式セル構造,撤去後に自然分解可能なバイオ素材化を検討し,最終的にはクライシスマネジメントに資する性能評価法の提案を目指す.2022年度の研究計画では,a) 展開式セル補強材の高度化,b) 新たな展開式セル補強材の表層補強への適用性検証,c) バイオ素材化のための耐久性試験に関する内容を進めることになっていた.以下,成果の概要を説明する. a) 展開式セル補強材の高度化では,申請者がこれまでに開発したハニカム形式の展開式セルをベースとして,展開角度が大きく補強材量が少ない条件でも補強効果を得ることを目的に2種類の展開式セルを提案した.一つは,中詰め土との相互作用を強化するために中詰め用の充填孔の配置やセル壁面への摩擦材の貼付を行った展開式セル(「相互作用強化型展開式セル」と称す)である.もう一つは,高さの異なるユニットセルを組み合わせた展開式セル(「セル・グリッド型展開式セル」と称す)である.それぞれ,従来のセル補強材と比較して原材料を大幅に削減することができる.b) 表層補強への適用性検証では,a)で提案した通常の展開式セル,相互作用強化型,セル・グリッド型の補強効果を把握するための移動載荷模型実験を行った.その結果,セル・グリッド型展開式セルは,従来のセル補強材の約4割の原材料で,従来のセル補強材よりも大きな補強効果を発揮することを明らかにした.c) 耐久性試験では,地盤補強材に適したバイオ素材を選定するとともに,試験装置の整備を行い,試験実施の準備を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,2022年度に予定していたa) 展開式セル補強材の高度化,b) 新たな展開式セル補強材の表層補強への適用性検証,c) バイオ素材化のための耐久性試験に関する研究を行い,すべておおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,2022年度に行った内容をさらに進展させる予定になっている.被災状況に応じた補強方法の高度化として,2022年度までに行った道路表層の復旧技術に加えて,道路盛土が崩壊した状況を想定した表層およびのり面の早期復旧技術について検討する.また,補強材のバイオ素材化に関して,2022年度までに整備した土中促進クリープ試験装置を用いて,バイオ素材の耐久性について検討する.
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