研究課題/領域番号 |
21K14278
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田中 亘 長崎大学, 工学研究科, 助教 (60795988)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 地表性甲虫 / 洪水 / 垂直退避行動 / 氾濫原 / 地表性昆虫 / 垂直退避 / 洪水撹乱 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,牟田部遊水地,巨勢川遊水地,アザメの瀬,及びそれぞれの対照区として浸水しない近傍の草地3地点の合計6地点で,毎月のトラップ調査により地表性昆虫の季節的消長・種構成の把握を行う.また,九州の氾濫原において浸水実験による地表性昆虫類の行動観察を通して,撹乱と垂直退避物,地表性昆虫との多様性の関係解明を行う.また,定期トラップ調査を行う氾濫原の垂直構造の把握のため,ドローンによる立木及び地盤高の測定と水位計による氾濫時水位の観測を通じて,洪水時の浸水状況を解析し,地表性昆虫の生息状況との関係を解析する.
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研究成果の概要 |
本研究は,氾濫原の洪水撹乱に対する地表性甲虫の垂直退避行動と種多様性の関係を明らかにすることを目的とした.氾濫原の地表性甲虫のピットフォールトラップ定期調査を月1回の頻度で行い垂直退避物の豊富な氾濫原においてAnisodactylus属の個体数と種数が増加している傾向があることを見出した.一方で秋繁殖のHarpalus属については初夏までは飛翔能力を有することから今回の研究期間の出水(8月)に対しては大きな影響を受けなかったものと考えられる.本研究により氾濫原における垂直構造物の有無が地表性甲虫の種多様性に影響することの示唆を得たものと考えている.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,現地における生物調査と氾濫解析をベースとし,近年自然再生の一環として人工的に造成される例が増えつつある人工氾濫原における垂直方向の環境構造(樹木・草本管理)の整備のあり方について技術的な示唆を与えるものである.氾濫原の垂直構造については,必ずしも樹木や草本でなく人工物で代替できる可能性もあり,近年「Eco-DRR」や「グリーンインフラ」の一環として多く整備されている農地として普段利用する人工氾濫原でも生物多様性を高めることができる.本研究によって,こうした基礎的な知見が蓄積され,氾濫原の設計に生かされるなどの波及効果が期待できる.
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