研究課題/領域番号 |
21K14289
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浅井 竜也 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (90815846)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 連層耐震壁 / 曲げ変形 / 定着部変形 / モーションキャプチャ / 鉄筋コンクリート / 曲げ破壊 / 耐震壁 / 降伏変形 / 詳細計測 |
研究開始時の研究の概要 |
建物の性能規定型の設計を高度に実現するには,建物損傷と関連の深い建物変形を適切に推定することが欠かせない。本研究では,変形性能が期待される曲げ破壊型の鉄筋コンクリート造連層耐震壁について,複数の縮小試験体を用いた静的載荷実験において,特に脚部への変形集中メカニズムを把握可能な詳細な変形・ひずみ分布計測することで,そのメカニズムを解明すると共にそれを表現可能なマクロモデルを構築する。それにより,同部材の高精度な降伏変形評価手法の確立に貢献する。
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研究成果の概要 |
曲げ破壊型連層耐震壁の降伏変形評価法を高精度化することを目的に,同部材の脚部に回転変形が集中する要因を定量的に示すべく,縮小試験体2体(パラメータは柱型のせん断補強筋量)の静的繰り返し載荷実験を行い,その際に試験体全体の詳細な変形分布と接合部内の主筋ひずみ分布を計測した。両試験体は変形角1/300程度で引張側壁柱の主筋降伏が生じ,その後せん断補強筋の降伏と共に耐力低下を開始した。降伏変形までにおいては,斜めひび割れの進展とその本数の増大と共に壁脚部近傍の曲率が古典理論解よりも増大し,それに伴いスタブ内部の変形も増大することで,結果として脚部に回転変形が集中することを定量的に示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
建物の性能規定型の耐震設計を高度に実現するには,建物損傷と関連の深い建物変形を適切に推定することが欠かせず,それには各構成部材の高精度な変形評価が必要である。その中でも降伏変形は,部材剛性が急変すると共にエネルギー吸収を開始する重要な変形である。しかし,高い剛性,耐力および靭性能を有するため国内外の建物に多く用いられる鉄筋コンクリート造連層耐震壁の降伏変形評価精度は十分とは言えない状況である。そのため本研究では,同壁部材の脚部に回転変形が集中するメカニズムを詳細な計測に基づき定量的に示した。本研究成果は,連層耐震壁の変形評価の高精度化,ひいては高度な性能規定型設計の実現に貢献する。
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