研究課題/領域番号 |
21K14359
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
米田 昇平 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (50815678)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 高周波インバータ / 複数コイル / 位置ずれ検出 / ワイヤレス給電 / 結合係数 / 位置ずれ / 共振周波数 / 非接触給電 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋資源調査などを目的として,水中探査機の開発がなされている。しかし,多くの探査機はバッテリで駆動されるため,その活動時間はバッテリの容量に依存し,運用上の障害となっている。本研究課題の目的は,水中探査機向けの非接触給電システムを開発し,探査機のバッテリの充電方法を改善させることにある。これは,送電コイルと探査機側の受電コイルの結合状態を検出可能な複数台の高周波インバータの制御法に特長があり,探査機のバッテリの充電時間の大幅な短縮,活動時間と範囲の拡大が期待できる。また,複数の高周波インバータと送電コイルを有する非接触給電システムは冗長性に富み,水中での安定した給電に貢献することができる。
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研究実績の概要 |
本研究課題では,水中探査機に搭載されたバッテリの充電方法として,インバータと送電コイルからなる電源回路を複数個有する非接触給電システムの開発を行っている。令和4年度は複数送電コイルによる水中探査機の位置ずれ検出の基礎検討を行った。 まず,2組の送電回路と1組の受電回路からなる実験装置を想定し,受電コイルの位置ずれに応じて送電コイルの電流位相が変化することを理論的に検討した。そして,受電コイルが近づいてくる送電コイルではその電流が進み位相に,受電コイルが離れる送電コイルではその電流位相が遅れ位相になることを,実験により確認した。これは受電コイルの位置に応じて送電コイルとの結合係数が変動し,これにより送電コイルから見たインピーダンスが変化するためである。したがって,進み位相となった送電コイルに向かって受電コイルが接近していると判断できる。 そして,進み位相となる送電コイルにおいて,インバータ端子電圧とコイル電流の位相差が零となるようにインバータの動作周波数を操作すれば,位置ずれを検出しつつ電力伝送が可能であることを確認した。このとき,受電コイルが離れていった送電コイルでは,動作力率が低下し,伝送電力量は低減するが,遅れ力率状態を維持したまま電力伝送は継続可能である。 また,この原理を応用し,送電側を3組とすることで,受電コイルが3次元方向に位置ずれした場合であっても,送電コイル間の位相差を比較することでそのずれ方向が検出可能となる。送電回路を3組に増築し,実験により,3次元方向であっても位置ずれ方向の検出および電力伝送の両立が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2組の送電コイルを用いた基礎検討により,送電コイル間の電流の位相差から受電コイルの位置ずれ方向が検出可能であること,また,その際に安定した電力伝送が継続可能であることを確認した。加えて,この原理を3組の送電回路に拡張することで,受電コイルが3次元方向に位置ずれした場合であっても位置ずれ方向が検出可能であることを確認したため,おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後,3組の送電コイルによる受電回路の3次元方向の位置ずれ検出の詳細検討を行う。位置ずれ検出の分解能,その際の動作周波数や負荷電圧および負荷電力を評価する。これらを踏まえて,検討回路の設計指針を明らかにする。
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