研究課題/領域番号 |
21K14431
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鴇田 駿 東北大学, 工学研究科, 助教 (60807668)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 固相接合 / ステンレス鋼 / アルミニウム合金 / 微細組織 / 溶接・接合 / 異材接合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ジュール発熱を利用した新規固相接合法である通電拡散接合の接合メカニズムを解明し,強固な異種金属接合部を得るためのプロセス指針を構築することを目的とする. 通電拡散接合は金属材料を短時間・小変形で,溶かさずに接合できるため,小型部品や小径配管などの異種金属接合への適用が期待される.本研究では,被接合材の変形挙動や酸化膜の挙動に着目し,材料科学的な観点から通電拡散接合の接合メカニズムを解明する.
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研究成果の概要 |
通電拡散接合により、304ステンレス鋼同士および304ステンレス鋼と5052アルミニウム合金を接合し、接合強度に及ぼす接合条件の影響や接合メカニズムの調査を行った。 304ステンレス鋼同士の接合では接合温度800 ℃で良好な接合部が得られた。接合時間の増加とともに接合面積が増加し強度が向上した。詳細な組織観察の結果、酸化物の分解、再反応により自然酸化被膜が分断され新生面同士の接合が達成されるメカニズムが提案された。 304ステンレス鋼と5052アルミニウム合金の接合では、界面に形成される金属間化合物層の厚さが接合強度に大きく影響していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
異なる材料を適材適所に用いるマルチマテリアル化には,さまざまな組み合わせの異材接合を実現することが必要不可欠である.異材接合に適しているとされる従来の固相接合法では長い接合時間や大きな変形を伴うものが多く,本研究で扱う小変形・短時間の接合である通電拡散接合の実現には大きな社会的意義がある. 通電拡散接合は開発途上の新規接合法であり,この接合法に関する研究事例は世界的にもほとんど例がない.なかでも,材料科学的な観点から接合メカニズムを明らかにした研究は行われていないことから,本研究は通電拡散接合技術の信頼性を向上し,日本発の新規固相接合技術を世界に向けて幅広く普及する点に学術的な意義がある.
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