研究課題/領域番号 |
21K14465
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小林 靖和 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80735506)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 多成分系合金 / ナノ粒子 / 不均一系触媒 / 水素化反応 / 金属間化合物 / ハイエントロピー合金 / 溶融塩 / 水素化物 / CO2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、主にCO2水素化反応に用いる新規な合金触媒の開発を行う。CO2の水素化反応には様々な遷移金属が活性金属(例えば、メタノール合成にはCuやPd, FT軽油合成にはFeやRu, メタン合成にはNiやCo, Ruなど)として作用することが知られている。また、酸性気体であるCO2と相互作用がある塩基性金属の酸化物を担体に用いることで触媒活性が劇的に向上することが知られている。本研究では、これら活性金属上での「合成場」と塩基性金属上での「CO2の活性場」の物理的距離を最短化することで反応が効率的に進行することを狙いとして、金属結合を介して活性金属と塩基性金属が隣接する合金触媒の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
高比表面積な合金粉末を得るために、溶融塩中でCaH2を還元剤に用いるオリジナルな合成手法を確立した。得られた合金粉末は、Ni2TiAl, TiFe, FeAl, CrMnFeCoNi, AlCoCrFeNi(V), TiNiSi, CaPt2, YIr2等であり、単一の結晶構造からなる合金であり、かつ、~100m2/gほどの比較的大きな比表面積を有していることが確認された。続いて、得られた合金粉末の水素化活性を評価した結果、従来の担持触媒と比較して、活性化エネルギーの低下や活性向上がみられ、合金触媒のユニークな特性が観測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TiやAl, Yなどの酸化されやすい金属を含む合金の高表面積化は、チャレンジングな課題である。従来法においては、2000℃ほどの高温溶融混合後に急冷や室温付近での溶出処理によりナノ粒子や多孔質体を得る。本研究では、従来法とは異なり高温合成環境を必要とせず、溶融塩中でCaH2還元剤を用いることで酸化物前駆体の低温還元(600℃付近)により高表面積合金粉末を得る新規な合成手法を確立した。従来と異なるアプローチの可能性を示したことは学術的意義や社会的意義が高いと思われる。
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