研究課題/領域番号 |
21K14489
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小川 文男 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 学術研究員 (00424812)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 織物 / 設計 / 複合材料 / 織物複合材料 / 撚糸 / 疲労特性 |
研究開始時の研究の概要 |
カーボンナノチューブ(CNT)は非常に軽量で強度、導電率に優れることから複合材料の理想的な強化材とされている。これまでに、CNTの無撚糸、撚糸の作製、それらを強化材とする複合材料の開発が行われている。CNT撚糸を織物とすると等方的で機械的性質、導電率に優れる複合材料が作製出来ると期待されている。しかしながら、CNTに関しては織物の研究はこれまでにあまり見受けられず、優れた特性が発現したという報告もなされていない。本研究では織構造と機械的性質、導電率の関係を調べるとともに、織機を開発して、樹脂基複合材料を作製する。炭素繊維の織物と疲労特性を比較することでCNTを織物にするメリットを調べていく。
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研究成果の概要 |
本研究ではカーボンナノチューブ(CNT)単体の強度を測定して、強度発現メカニズムと強度向上の手法について検討した。高温エチレンガス処理により、ラマン強度比が向上し、強度向上に有効であることを明らかにした。CNTの撚糸(ヤーン)の作製に関しては、CNTアレイの回転速度を最適化して、引き出し速度を工夫することにより、ある程度緻密で中程度の強度を有したヤーンを作製できた。今後の課題としてはヤーンをさらに、緻密化させることにより高強度複合材料を得ること、ヤーンの高温熱処理により、強度最適化を図ることが挙げられる。有限要素法による織物の設計についても着手する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カーボンナノチューブ(CNT)は非常に優れた強度や導電率により、次世代の構造材料の強化材として期待されている。カーボンナノチューブ単体の強度を評価して、強度向上することにより、CNTの撚糸や繊維束とした場合の高強度を達成できると考えられる。本研究では高温エチレンガス処理により、ラマン強度比が上昇し、強度向上に有効であることを明らかにした。将来的に織物複合材料に適用した場合に、CNT撚糸の強度が高ければ、構造材料の安定性や耐震性に向上できるため、学術的意味は大きいと考えられる。
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