研究課題/領域番号 |
21K14605
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡田 大地 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 特別研究員 (10880346)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 光-物質強結合状態 / 磁気円二色性 / キラル非線形光学効果 / ポラリトン / 光共振器 / 強結合状態 / 有機無機複合ペロブスカイト / 磁気円偏光二色性 / キラル非線形光学応答 / スピン物性 / 第二次高調波発生 / ゼーマン分裂 / 強結合 / レーザー / 円偏光 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
光共振器に閉じ込められた光子が分子の持つ電子遷移と相互作用する時、光-物質強結合状態と呼ばれる光と物質の複合状態が作り出される。これは、分子の化学的修飾に匹敵する新たな量子的な材料修飾法であると考えられる。本研究では、強結合状態下で生じる電子状態の変化やポラリトン粒子特有の協奏的振る舞いがスピン関連物性に与える影響を明らかにする。過渡分光測定を用いて、強結合状態下のスピン偏極電子の生成・緩和過程を調査するとともに、円偏光レーザー、円偏光検出器、円偏光LEDなどのスピン光デバイスへの応用展開に試みる。強結合状態のスピントロニクスにおける有用性を示す。
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研究成果の概要 |
本研究では、光と物質の強結合状態をペロブスカイト半導体に施すことで、ペロブスカイト半導体が示すスピン関連物性がどのように変化するのか、そしてその変化が物質の特性向上につながるかの調査を行なった。本研究では主に、磁気円偏光二色性およびキラル非線形光学効果の評価を行なった。その結果、強結合状態にすることで、物質のゼーマン分裂が増大し、大きな磁気円偏光二色性シグナルが得られること、また、円偏光励起の向きに対する第二次高調波発生の非対称性を大きく変調できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常、物性の制御・特性向上は、物質デザインの最適化や電場や磁場などの外場印加によって行われる。しかし、本研究では、物質の組成を変えることなく、また特別な外場を必要とせず、2枚のミラーで物質を挟むだけという、非常に簡便な手法で、スピン関連物性を制御し、特性を向上させることができることを証明した。光と物質の強結合状態は、新しい量子的な物質修飾技術であり、今後さらに多くの物性の改善に活用されることが期待できる。
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