研究課題/領域番号 |
21K14626
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
増田 侑亮 北海道大学, 理学研究院, 助教 (20822307)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光 / 水 / 糖 / 光酸化還元触媒 / 保護基フリー / ホスホニウム / ホスフィン / 白金 / 銅 / アリル化 / ホスホニウム塩 / 脱芳香族化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、水溶性光触媒の開発を基盤とし、糖の保護基フリー変換反応を達成する。すなわち、可視光により励起される光酸化還元触媒にカルボン酸などの水溶性置換基を導入することで、新規水溶性光触媒を合成する。置換基を種々検討することで、触媒の酸化還元電位を調節することが可能である。これを利用して水中でラジカル反応を誘起し、無保護糖の直接変換を行う。水素移動触媒や還元剤を共存させることによって、幅広い変換反応の開発を試みる。また、本反応を利用した生物活性物質の合成や新規糖類縁体の創出へと展開する。
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研究成果の概要 |
有機合成反応の多くは有害な有機溶媒を大量に用いる必要があり、持続可能性の観点から有機溶媒の使用量低減は急務の課題である。さらに糖などの生体分子は有機溶媒への溶解性が低いことから、水中での有機合成反応の開発が望まれている。本研究では、水中で機能する光駆動型触媒を開発することで、入手容易な糖分子を保護基フリーで変換することに成功した。さらに水中光反応の手法を発展させ、機能性分子として注目を集めるホスホニウム塩の新規合成法の開発にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで有機溶媒中でしか利用することのできなかった光触媒反応を、水溶媒へと適用可能にした点で大きな意義がある。石油由来で有害な有機溶媒の使用量を低減することは、持続可能な社会の実現に直接貢献する成果である。また生体の主な構成要素である糖や脂溶性とイオン性を両立するホスホニウム塩は、その医薬品や機能性材料としての利用にも興味が持たれる分子群である。このことから、本研究成果は有機合成分野のみならず、幅広い分野への波及効果が期待できる。
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