研究課題/領域番号 |
21K14637
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
陳 旻究 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 准教授 (90827396)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | Crystalline materials / molecular rotors / NHC metal complex / Photofunction in polymer / Molecular Rotor / Luminescent Crystal / Prefluorescent probe / Hydro-gel |
研究開始時の研究の概要 |
一般に分子は固体中で密にパッキングされるため、回転運動など大きい構造変化を示すことが困難である。一方、高い結晶性を持ちながら、その構造の一部が速い回転運動を示すアンフィダイナミック結晶と呼ばれる結晶があり、通常の分子結晶では得られない特異な固体物性を示す。本研究では、豊富な化合物ライブラリーを持つN-ヘテロ環式カルベン(NHC)金属錯体を基軸とした新たなアンフィダイナミック結晶群を構築し、固体中の分子回転を合理的に制御できるシステムを開発する。さらに、銅(I)および金(I)錯体の発光特性を導入することで、分子回転により制御される多様な発光機能を見出す。
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研究成果の概要 |
本研究では、嵩高いNHC配位子に銅(I)および金(I)が配位した錯体を回転部位の周辺に導入し、新規な発光性結晶分子ローターを開発した(J. Am. Chem. Soc. 2021, 143, 1143). この錯体は、NHC配位子と回転部位で働く立体効果および金属錯体が持つ電子的効果により分子回転が合理的にデザインできる。また、この回転挙動が固体発光の強度を精密に変化させることが明らかとなった。また、形の異なる回転部位を複数導入することにも成功し、それらが固体内で互いに連動運動を示すことを見出した(Eur. J. Org. Chem. 2023, 26, e202201468.)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた成果として、従来の分子結晶では困難であった、分子の回転運動を固体内で合理的にデザインできることが挙げられる。また、その回転挙動が、固体発光をデザインするのにも深く関与している点から、今後の新しい発光性センサー材料への応用が期待できる。
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