研究課題/領域番号 |
21K14649
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
|
研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
松岡 亮太 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 助教 (80806521)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 光化学 / ラジカル / スピン / 磁性 / エキシマー / 発光 / 磁場 / 開殻 |
研究開始時の研究の概要 |
発光特性を示す有機ラジカルは、閉殻分子にはない特異な機能を示す新物質群として注目を集めている。発光スペクトルの磁場依存性(マグネトルミネッセンス)はその代表例であるが、従来法ではその詳細なメカニズムを明らかにできなかった。本研究ではこれまで未達成であった単一分子でのマグネトルミネッセンスを実現し、外部磁場がどのようにラジカルの発光過程に影響を与えているかを分子レベルで明らかにする。本研究はこれまでほぼ未開拓研究領域であったラジカルのスピンと発光特性の相関に基づく光物性に革新的な発展をもたらす大きな礎となる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、剛直なリンカー部位に発光ラジカルユニットを二つ連結したジラジカル分子の合成に取り組み、以下の二つの成果を達成した。(1) ジラジカル分子による単分子マグネトルミネッセンスの実現と機構解明。(2) ジラジカル分子が形成するエキシマー的励起種の電子状態解明。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はラジカルの発光の磁場依存性(マグネトルミネッセンス、MagLum)がジラジカル単分子で発現することを示し、同時にMagLum発現に必要最小限なラジカルの数が2であることを明らかにした。これまでバルク固体中でしか生成できなかったラジカルのMagLum活性種を単分子レベルまで微細化できた。これはラジカル集合体が光や磁場に対しどのように応答するのかをより詳細に明らかにすることができた点で学術的意義のあるものであり、また多様な媒体中にこの機能性物質を埋め込み、偽造防止技術などに利用できる可能性を示した点で社会的意義のあるものである。
|