研究課題/領域番号 |
21K14652
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金尾 英佑 京都大学, 薬学研究科, 助教 (40895166)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 分子インプリント法 / プロテオミクス / 構造解析 / LC-MS/MS / 分子認識 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質の三次構造やタンパク質複合体(高次構造)の網羅的解析が,生命現象を解き明かすポストゲノム研究の一つとして注目を集めている。通常,タンパク質の高次構造解析には,X線結晶構造解析を中心とした分光学的手法が用いられているが,操作の煩雑さや適応できる分子量範囲の狭さが大きな課題となっている。本研究では,タンパク質表面のペプチド鎖を選択的に捕捉する光刺激反応性ヒドロゲルを創製し,LC-MS/MSで表面・リガンド認識部位に存在するペプチド鎖のアミノ酸配列を簡便に決定することができる新規高次構造解析法の開発に取り組む。
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研究成果の概要 |
分子鋳型法を利用して水中でターゲットタンパク質を高効率で捕捉することが可能な分子インプリントヒドロゲルを合成した。合成したヒドロゲルに,タンパク質との疎水性相互作用によって蛍光を発現する機能性モノマーを導入し,タンパク質の選択的な蛍光検出システムを構築した。さらに,光活性基であるperfluorophenyl azideを導入することで,タンパク質の選択的捕捉と,その表面との化学結合形成が可能な光刺激反応性ヒドロゲルを開発した。ヒドロゲル内に捕捉されたタンパク質の酵素消化物をLC-MS/MSで解析することで,タンパク質表面の1次構造情報を取得することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で提案した手法は,分子インプリント法を利用することで,LC-MS/MSによる一次構造解析を高次構造解析に応用するものであり,X線結晶解析をはじめとするタンパク質高次構造解析法とは感度と速度の面で一線を画すものである。そのため,生命科学的に重要な機能を担うタンパク質種や複合体をアミノ酸レベルで素早く簡便に予測し,分光学的手法での高次構造分析が必要なターゲットを絞り込むことができる。このように本研究は,既存の分光学的手法が抱える操作の煩雑さ・適用範囲の狭さを補完することが可能であり,ポストゲノム研究の中核を担う構造生物学分野の進展に大いに貢献できる。
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