研究課題/領域番号 |
21K14673
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 峻一郎 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (30875711)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 典型元素錯体 / 発光 / 合成化学 / 錯体化学 / 高分子化学 / 光電子物性 / 配位子間相互作用 / 高分子合成 / 13族元素 / リン光 / 共役系高分子 / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
典型元素錯体は光吸収・発光特性などの優れた光・電子的性質をもち、これらの性質の効果的な制御手法の確立が求められている。典型元素錯体は、典型元素のイオンと配位子という有機骨格から構成されている。これまで異種の配位子の間にはたらく電子的相互作用は物性制御に使われてこなかった。本研究は、典型金属錯体の中に観測される、配位子間の電子的相互作用という新しい現象に着目し、錯体の光・電子物性を制御することを目的とする。これにより、固体発光性の付与や室温リン光性、近赤外発光特性、鋭敏な刺激応答性など、高性能光電子素子や次世代イメージング材料の開発のために有用な分子設計指針の構築につながる。
|
研究成果の概要 |
典型元素と有機物からなる発光性錯体は、リン光や刺激応答性などの優れた機能を有する。従来、典型元素錯体の光物性制御は、主にキレート配位子と呼ばれる有機パイ電子系の修飾によって実現されてきた。一方、非キレート配位子と呼ばれる金属上の置換基による物性制御のための指針は体系化されてこなかった。そこで本研究では、キレート配位子と非キレート配位子間の電子的相互作用を用いた錯体の物性制御の新手法を確立することを目指した。本研究を通じて、配位子間のエネルギー差や立体電子効果、金属との共有結合性に着目することで、キレート配位子と非キレート配位子との相互作用を調整し、発光性錯体の物性制御が可能になることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、従来用いられてこなかった錯体の物性制御手法である、非キレート配位子に着目し、これとキレート配位子との相互作用を精密に調整することで錯体の物性を制御できることを明らかとした。これは、本研究で中心的な対象とした光機能性のみならず、触媒機能や電気電子物性の制御などにも広く応用展開できる手法であり、物質探索の可能性を広く拡張するという点で、学術的にも産業的にも意義深いものである。
|